金属アレルギーは「金属+汗+菌」が原因
いま密かに蔓延する「金属アレルギー」は、予備軍も含めればその数はなんと推定1000万人といいます。金属アレルギーの原因は何なのでしょう?
金属と汗の関係について実験を行いました。実験に使用するのは「100円玉」「時計のベルト」「ネックレス」。それぞれの金属を手にひたすら走って汗をかき続けること1時間、集めた汗を特殊な装置で分析しました。すると、いずれの手の汗からも「ニッケル」が検出されたのです。
溶け出したニッケルの量は、100円玉が23マイクログラム、時計のベルトが5マイクログラム、ネックレスからは56マイクログラム。そしてこれらは、溶け出すだけではありません。
溶け出した金属は「イオン」と呼ばれる非常に小さな粒になります。その大きさは、およそ「0.0000001mm」。これが肌にしみ込むようになってしまいます。「金属+汗」という条件が揃うと「肌にしみ込む」という現象がおきるのです。
しかし「金属+汗」というだけで体質が変わるということはありません。そこにある条件が加わると、ほぼ100%に近い確率でが金属アレルギーとなるのです。
東北大学の研究グループは、マウスで金属アレルギーのメカニズムを解明しようと考えました。まず液体に金属をまぜてマウスに塗布…しかし金属アレルギーになりません。次に、金属をエサに混ぜて食べさせましたが、マウスは変化ナシ。注射で金属を注入しても、金属アレルギーになりません。
そこで「菌」を金属と混ぜて注射したところ、これまでほとんど金属アレルギーにならなかったマウスが、ほぼ100%の確率で発症するようになったのです。
体内に菌と金属が入ると、体の警備係である白血球がそれを発見します。白血球は、増殖して仲間を増やして菌と戦います。このとき、戦い始めた白血球は活性化した状態です。そこに、一緒に体内に入った金属があると、今度は金属担当の白血球が増殖して戦い始めます。じつは、この瞬間こそがアレルギー体質に変化した瞬間です。
ひとたびこのようになると、その後も白血球はパトロールを続けます。今度はただ金属だけが入ってきても、白血球は戦ってしまうのです。このとき、白血球が炎症物質を撒き散らして戦うため、湿疹やかゆみがおきます。これが金属を身に付けるだけでも反応する金属アレルギーのメカニズムです。
■9月11日放送『ためしてガッテン』
【あぁ突然!金属アレルギー 体質改善の謎一挙解明】
金属アレルギーは誰もが発症する可能性アリ
金属アレルギーのスイッチは「傷」にある
金属に触れずにおきる金属アレルギーとは?