電気信号が弱っている「脈とび」は危ない!
9割の人におこっている「脈とび」には、安全なタイプと危険なタイプがあります。そして、「安全な脈とび」と「危険な脈とび」の違いは、心臓を動かしている電気信号にあったのです。11月20日放送『ためしてガッテン』の「まさか!物忘れの原因が心臓だったなんて」で紹介されていました。
アメリカのミネソタ大学で教育用に撮影された貴重な映像があります。取り出して4時間あまり経過してたヒトの心臓。力強く脈打っています。心臓は体から取り出しても自力で動き続ける唯一の臓器なのです。
それには、ある秘密があります。心臓の筋肉の細胞である「心筋細胞」に電気刺激を加えると、動き出します。心臓は電気の信号で、細胞一つ一つが動くのです。
その電気を出すのが、心臓の上のほうにある「洞結節(どうけっせつ)」。これこそが、心臓を動かす司令塔です。洞結節が休むことなく電気信号を送ることで、筋肉の細胞が収縮。その結果、心臓全体が規則正しく動くのです。そして、脈とびがおきるときには、この洞結節にある変化がおこっています。
安全なタイプの脈とびの場合、通常は洞結節の電気信号で心臓が脈打っているものが、心臓のほかの箇所から電気信号が出る場合があるのです。すると、心臓がとまどってしまうために一拍休みとなってしまいます。しかし、洞結節は元気なので、すぐに元に戻るのです。いわば、行進をしていてちょっとつまずくようなイメージでしょうか。
一方の危険なタイプの脈とびは、洞結節が弱っていて電気信号が出ていない状態です。電気信号がこないので、心臓は動きようがありません。行進をしたのに、合図がなくなって止まってしまった状態といえるでしょう。
脈拍のグラフに心電図のグラフを重ねてみます。じつは「心電図」とは、洞結節から出ている電気を計測しているのです。安全な脈とびがおきているとき、心電図の振れが大きくなっているのがわかります。電気が出すぎて、脈がとんでいるということです。危険な脈とびの心電図を見てみると、電気信号が出ていません。
安全な脈とびと危険な脈とびでは、その時間も違っています。安全なタイプはせいぜい2秒程度ですが、危険なタイプは最長で6秒もとぶことがあるのです。
■11月20日放送『ためしてガッテン』
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