「片目が開かない」はくも膜下出血の前兆かも
発症すると3人に1人が亡くなってしまう死亡率の高い病気が「くも膜下出血」です。統計的に日本人に多いといわれ、男性よりも女性のほうが2倍かかりやすいといいます。そして、くも膜下出血の唯一の前兆は「片目が開かない」という症状です。詳しく見ていきましょう。7月26日放送『THEセンタク』の「あの病気になったらどうなる?」で紹介されていました。
目次
くも膜下出血からの社会復帰は15%
くも膜下出血とは、脳を覆っている外側から「硬膜・くも膜・軟膜」の3層の髄膜のうち、2層目のくも膜と3層目の軟膜のあいだに出血がおきる脳卒中の一種。脳脊髄液中に血液が混入した状態のことです。ちなみに、くも膜下出血は脳卒中のひとつ。脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあります。
発症してしまうと3人に1人以上が亡くなるといわれ、たとえ助かったとして2人に1人は大きな後遺症が残るといいます。つまり一度、発症すれば15%の人しか社会復帰ができないたいへん危険な病なのです。
くも膜下出血の多くは、脳の動脈のこぶである「脳動脈瘤」がきっかけとなります。そのふくらんでいる部分に血液が流れ込んで突然破裂。血液が脳内に入り、くも膜下出血を発症するのです。
くも膜下出血の唯一の前兆とは?
この脳動脈瘤は、日本人の「30人に1人」は持っているもので、けっして人ごとではありません。しかし、手術のリスクや危険信号、倒れたときの措置など、わからないことだらけです。しかし、くも膜下出血は、基本的に前兆がほとんどありません。
ただし唯一あるとすれば、動脈瘤が大きくなったときに目の動きを司る動眼神経を圧迫して出る症状です。朝起きたときに片目が開いていなかったり、ものが2つに見えたりする症状で、くも膜下出血が見つかることがあります。
こういった場合はすぐに病院へ行きましょう。そこでMRIやCTの検査をして、動脈瘤の存在を見極めることが大切です。動脈瘤が見つかれば、くも膜下出血を未然に防ぐことができます。
くも膜下出血の典型的な症状と対処法
前兆もなくくも膜下出血がおこる場合もあります。その典型的な症状は「激しい頭痛」「意識障害」「嘔吐」などです。とくに頭痛は「バットで殴られたような」と表現されるほどの強烈な痛みに襲われます。ただし、頭痛をほとんど感じない例も少なくありません。
意識障害も比較的よく多くみられる症状。頭痛に襲われることなく、いきなり意識を失う例も…。そのほか、嘔吐や目の痛みなどの症状を経験する人もいます。
くも膜下出血は緊急を要する病気です。放置していると再出血をおこし、最悪の事態になりかねません。実際にくも膜下出血がおきて倒れた場合は仰向けでなく「頭を横に向けて寝かせる」ように対処しましょう。基本的には気道確保が一番大切だからです。
■7月26日放送『THEセンタク』
【あの病気になったらどうなる?】
くも膜下出血の「警告頭痛」はどんな症状?
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