痛みを感じない心筋梗塞はこうして発症する
「心筋梗塞」という病名はよく聞きますが、それが実際にどんな痛みを伴うのかご存じですか? なんとなく「心臓をかきむしられるような痛み」をイメージしますが、実際は違う場合もあります。それが「無痛性心筋梗塞」です。10月16日放送『ためしてガッテン』の「心臓が停止する!まさかの奇跡の生還SP」で紹介されていました。
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無痛性心筋梗塞は胸の痛みがない
「急性心筋梗塞」は年間42,000人が亡くなる怖い病気。しかし、そのうち1万~2万人の人が「無痛性」である可能性があるといいます。この「無痛性心筋梗塞」について、実例を見てみましょう。
福岡県に住む86歳の男性は、2年前に心筋梗塞の発作をおこしました。しかし、胸の痛みはまったくなかったといいます。自覚症状としては、貧血か血圧が下がったかな…という程度だったのです。
発作がおきたのはお昼前、自宅に戻ったときのことでした。急にトイレに行きたくなったのです。トイレから出ると、なぜか身体がだるく感じられます。たいしたことないか…と思っていたそのとき、自宅に届いた1枚の郵便物が届きました。
じつはこの男性、たまたま前日に病院で血液検査を受けていたのです。見ると、そこには心臓の異常を知らせるとんでもない数値が…。あわてて病院に向かった男性は、からくも一命を取り留めました。担当医は、もし病院へ来なかったら心室細動で致命的になっていた可能性が高いと振り返ります。
無痛性心筋梗塞で立ちくらみ状態
香川県に住む65歳の男性も、胸の痛みをまったく感じないまま心筋梗塞の発作をおこしました。心筋梗塞という言葉は、頭の片隅にも出なかったといいます。
心筋梗塞を発症したその日、男性は立食パーティに出席していました。開宴から2時間ほどたったときのこと、一瞬立ちくらみ状態に…。しかし、立ち上がったときには普通の状態で、そのままパーティに参加し続けます。
パーティ終了後、飲みすぎのせいか少し気分が悪くなり、さらに軽い寒気も感じ始めました。奥さんに迎えに来るよう電話をしたところ、なぜか奥さんと一緒に主治医が到着。そして、男性を見るなり、すぐに病院へ行くよう促したのでした。
いずれのケースも心臓の冠動脈が詰まっていて、詰まった先に血液が行き渡らない状態。まさに生死の境をさまよっていました。こうして2人の男性は、痛みのない心筋梗塞から奇跡の生還を果たしたわけです。
■10月16日放送『ためしてガッテン』
【心臓が停止する!まさかの奇跡の生還SP】
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