家族ができるレビー小体型認知症の対応法
「レビー小体型認知症」の治療は家族の理解が不可欠です。実際にレビー小体型認知症の実例を見ながら、家族ができる幻視への対応法を見ていきましょう。10月2日放送『ためしてガッテン』の「気づいて!新型認知症 見分け方&対策大公開」で紹介されていました。
目次
レビー小体型認知症の幻視とは?
3年前に「レビー小体型認知症」と診断された男性の場合、いまでも毎日のように現れる幻視に悩まされています。
ある日の食卓、テーブルの小さなゴミが虫に見えてしまい、気持ち悪くて食事ができません。そのことを家族がゴミであることを説明すると、現実としか思えないものを否定されたと思い、家族に強く反論してしまいます。
そこで、奥さんはまず「虫に見えちゃったんだね」と言葉をかけます。じつはこれがポイント。「幻視を否定しない」ことです。続いて奥さんは、「でも、お母さんには見えないんだって」と説明します。これが2つめのポイントである「本人以外には見えないことを伝える」ことです。これは幻かもしれないというきっかけを作ります。
ほかにも、トーストは出さずに「フレンチトースト」にするという工夫も。パンくずが落ちることで虫に見えてしまうという原因を、根本からなくそうというわけです。
とはいえ、いろいろな工夫をしてみても、やはり幻視が見えてしまったときには秘密の「おまじない」があります。それは奥さんが男性の手を両手で握って「いまのはナシ、なくなりました」と声をかけ、両手をこするようにして自分の胸のところに持ってきながら「きれいに受け取りました」といいます。そして、2人で声を合わせて「スッキリさわやか、元に戻った」と唱えて、パチンと手をたたけば、たいていの幻視が消えるのです。
レビー小体型認知症への対応方法
家族ができる幻視への対応法は以下のとおりです。
【レビー小体型認知症の対応法】
- 幻視を否定しない
- 本人以外には見えないことを伝える
- 幻視を見やすい環境を減らす
- 視覚以外へ注意をそらす
このほかにも「幻を触ってみる」「好きな音楽をかける」「ネコを抱っこしてもらう」「洗濯物を一緒にたたむ」「散歩に誘い出す」「手や背中をさすりながら話をする」など、決定打がひとつあるというよりは、それぞれの環境に合う方法を探すことが大切です。
■10月2日放送『ためしてガッテン』
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