「緑内障」の疑いのある「目のうっかりミス」って?
危険な「うっかりミス」とされるのは次のとおり。「ぶつかる」「コップをこぼす」「本を読み飛ばす」「値段の勘違い」「左右違う靴をはく」「忘れ物」「つまずく」「計算ミス」「おつりを取り忘れる」「人とはぐれる」などです。病気の兆候かもしれません。『ためしてガッテン』で紹介されていました。
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緑内障はなかなか気づきにくい病気
これらのうっかりミスに共通しているのが「目の見落としによるミス」ということ。じつはこれ「緑内障」の病気だったのです。
目の病気といえば「白内障」と「緑内障」があります。「白内障」はじつはとても気づきやすい病気です。眼の内側にあるレンズが白く濁ってしまいます。このため、自分の視界が見えにくくなるため、自分でもわかるというわけです。
しかも治療は比較的簡単な手術によって、濁ったレンズと人工レンズを入れ替えることで、また再びきれいに見えるようになります。
しかし、一方の「緑内障」はなかなか気づきにくい病気。目の網膜に異常が出るもので、元のように見えるようにはなりません。失明原因の第1位です。ただし、その進行を止めることはできます。ということは、できることはただ1つ。1日でも早く気がついて「止める」ことです。
緑内障は脳が補正して気づきにくい
「緑内障」は視野の一部が見えにくくなる病気。普通に考えれば自覚症状がありそうなものです。なぜ緑内障は気づきにくいのでしょう? 「緑内障」は、瞳のなかの120万本の視神経が集められて、脳につながっていくくぼみ部分におこります。このくぼみ、いわゆる「盲点」と呼ばれるものです。
瞳には一定の圧がかかっており、緑内障はこの圧によってくぼみが深くなります。そして、これによって視神経がダメージを受けるのです。やっかいなのは、ダメージを受けるのは視界の周縁部。人間は目の中心でものを見るので、真ん中の視野は保たれています。このため、視界に影響がないように感じてしまうのです。
もともと「盲点」部分は見えないはずなのに、私たちはまったく意識せずに過ごしています。それは脳が周りの景色が類推して、視界を補ってくれているからです。
これと同じことが「緑内障」の視界の欠損でもおきるというわけ。脳が景色を補正してしまうため、本人がそれに気づきにくいのです。「脳の補正」が、緑内障に気づかない理由。人の体としてよくできていることが、気づかない理由になっているわけです。
緑内障の最新検査は1分で終わる
「緑内障」の最新検査機器は「OCT(Optical Coherence Tomography)」。「光コヒーレンストモグラフィ」の略称です。検査自体は1分以内に終わるもの。装置にあごを載せて、目を正面から撮影してもらうだけです。この装置が眼球を立体的に捉えることで、盲点のくぼみを調べます。
OCT検査は保険適用の場合は600円程度で実施可能です。この検査はほとんどの総合病院で可能で、個人の開業医の半分くらいでもできるといいます。
OCT検査ののち、残念ながら「緑内障」と診断され場合はどうなるのでしょう? まずは「眼底写真」を撮ることで、網膜の色の変化で視神経のダメージの範囲を調べます。次に「眼圧検査」で目に風を当てて、視神経にかかる圧力を測定します。
そして、検査の中で重要なのが「視野検査」と呼ばれる、視野の欠けている場所を探す検査。「緑内障」になると青色の感度が下がります。それを利用した最新検査です。
■7月31日放送『ためしてガッテン』
【うっかりミスで発覚!40代を襲う謎の病】
「うっかりミス」は病気の兆候かもしれない!?
視野が欠損する「緑内障」に自覚症状がない理由
「緑内障」のOCT検査は600円程度で受けられる
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