偏頭痛で飲み続けた薬が原因で新たな頭痛を発症
偏頭痛だと思い込んで市販の頭痛薬を大量に飲み続けたことが原因で、新たな頭痛に襲われるようになる人がいます。それが「真夜中に目が覚める頭痛」でした。実際の症例を見ながら解説していきましょう。9月2日放送『みんなの家庭の医学』の「頭痛の本当の原因SP」で紹介されていました。
目次
偏頭痛のたびに市販の頭痛薬を服用
43歳の男性がズキンズキンと脈打つ頭痛に襲われたのはいまから15年前の28歳のとき。残業や徹夜も多く、不規則な生活を送っていたことのことです。偏頭痛と思い込んでいた男性は、頭痛のたびに市販の痛み止めを飲んでやり過ごしていました。
しかし、年を追うほどに偏頭痛の頻度は増加。週に一度から2~3回と徐々に増えてくるようになりました。そのたびに飲む薬も、効きが悪くなってきた気がします。1日2回までの服用限度を超えて飲むのが日常になっていったのです。
そんな日々が続くなか、偏頭痛は治まるどころかむしろ悪化の一途をたどります。10年が過ぎるころには、朝起きたときから夜寝るまで、1日に何度も痛みが襲ってくるようになっていました。
このころには1日に用量の倍の量を毎日飲み続ける状態に…。まとめ買いした1か月分の頭痛薬を、2週間たたずに使い切っていたのです。
夜中に激痛に襲われるようになった
そして2年前、男性をそれまでなかった頭痛が襲います。仕事が早く終わって珍しく22時に床に着いた男性は、深夜2時に左目奥の激痛で目が覚めたのです。ハンマーで殴られたようなズキズキする痛みでした。
初めて経験する痛みに慌てて頭痛薬を流し込んだ男性。やがて痛みは治まり、再び眠りに着きました。しかし、この日を境に夜中の頭痛は毎晩、襲ってくるようになります。しかもひどいときには、1晩に2回も頭痛で目覚めることがあるほどです。
起きているときに加え、寝ているときにまで容赦なく襲ってくる痛み。睡眠不足と薬の飲みすぎも手伝って、男性は仕事中にも意識がもうろうとするようになってしまったのです。
飲み続けた薬で脳幹に異常が発生した
こうして病院を訪れてみると、偏頭痛と何らかの頭痛が組み合わさっているという診断。偏頭痛を薬で治療しながら複雑に入り組んだ症状を整理することになりました。
その後、男性は1年半をかけて偏頭痛を克服。夜中に目覚める頭痛だけが残りました。そして、詳しく調べてわかった病名が「睡眠時頭痛」です。睡眠中の脳の状態をコントロールする脳幹の異常が原因といわれています。
そもそも脳幹には、痛みを感じるとそれを抑える物質を出す役割があります。しかし市販薬を大量に飲み続けることで痛みが強制的に抑えられ、脳幹が本来の役割を必要ないものと勘違い。その機能に異常が発生したのでした。
■9月2日放送『みんなの家庭の医学』
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