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アナタも隠れ難聴!?滲出性中耳炎で聞きもらし

電車のアナウンスを聞きもらす、自転車のベルを聞きもらす…雑音が多い中で聞きもらし多い人は「隠れ難聴」かもしれません。それは「大人の中耳炎」ともいうべき病気「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」の可能性があります。7月9日放送『ためしてガッテン』の「その物忘れ・集中力低下 隠れ難聴かも!?」で紹介されていました。



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アナタも隠れ難聴!?滲出性中耳炎で聞きもらし


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周囲がガヤガヤしているときだけ難聴に!?

都内に住む58歳の女性の耳に滲出性中耳炎の症状が出たのは10年前。ぜんぜん知らない感覚の中にいる感じだったと振り返ります。

その当時、女性は印刷会社で経理の仕事をしていました。頼まれたのはいつもの収支報告書の作成。月末までに済ませればよいと思っていました。ところが次の週明け、上司が仕事を催促。どうやら「今週中」という言葉を聞きもらしていたようです。

このときはぼんやりしていたせいだと自分で納得。とくに異変だとは思っていませんでした。しかし、そのうちに聞きもらしが頻繁におきるように…。自転車のベルにまったく気づかず、接触してしまったこともありました。

この女性、なぜ自分が難聴と気づかなかったのでしょう? じつは午前中は大丈夫でも午後は聞き取れなかったり、ついさっきは聞こえなかったのがいまは聞こえたり…。この女性が聞きもらすのは周囲がガヤガヤしているときだけでした。ほとんどの音は聞こえるので、異変に気づけなかったのです。


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片耳だけが時々聞こえなくなることが原因

ここで人間の耳のメカニズムを見てみましょう。たとえば雑踏の中で、右前方から声をかけてくる人がいるとします。

このとき耳は、最初に右耳に入った音と少し遅れて入ってくる左耳の音の時間差から距離を特定しているのです。人間の耳は、10万分の数秒差を聞き分けることが可能なのだとか。

そして場所が特定できると、周りにあふれているさまざまな音から、その人の声だけを浮かび上がらせて音を聞き取ります。人間の視覚が両眼の視差で空間を把握するように、聴覚も両耳の音の差で音源を特定しているのです。

じつは「隠れ難聴」の症状とは、片耳が聞こえない状態なのでした。片耳で聞いているため、雑音と特定の音を区別できずに聞き取れないのです。しかも、片耳が聞こえなくなるのも「時々」。このため、なかなか気づくことができませんでした。


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耳管が老化して中耳に水がたまっている状態

なぜ片耳だけ、しかも時々難聴になるのでしょうか? 人間が音を捉えているのは「鼓膜」です。そして鼓膜の内側の空間を「中耳」と呼びます。中耳は音の振動をさらに奥へ伝えるための密閉された空間。じつは少量の水が入っています。これは老廃物の排出や鼓膜の保湿のためです。

しかし、この水が多すぎるのも都合が悪いもの。そこで中耳には、老廃物とともに中耳の水を鼻へと逃がすための「耳管」という管が存在します。

ちなみに、ふだんはピッタリ閉じていて、開くのはあくびをしたときや何かを飲み込んだときなど。よくエレベーターで耳がキーンとしたとき、つばを飲み込むと治ったりするのは、気圧の変化で生まれた中耳と外気の気圧差を、この耳管を開くことで調整しているのです。

そして、隠れ難聴で片耳だけが時々聞こえなくなっている人は、この耳管が開きにくくなっています。耳管が老化して水が抜けずに、中耳に水がたまってしまっているのです。


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耳ツーンがとれにくいなら滲出性中耳炎かも

この状態で下を向いたりすると、中にたまった水が鼓膜側に移動。このために、聞こえにくくなるのです。姿勢の傾きで移動した水によって、鼓膜が振動しにくくなってしいます。まさに音がぼやけたように聞こえるのです。

これこそが「滲出性中耳炎」。50歳以上から急増する病気です。子どもがよくなる中耳炎は、鼻から細菌が入って炎症をおこすもの。一方の隠れ難聴とも呼ばれる滲出性中耳炎は、痛みがないためなかなか気づきません。

「頭を傾けたとき聞きにくくなる」「耳が詰まる感覚」「耳ツーンがとれにくい」などの症状があったら滲出性中耳炎の可能性があります。

ちなみに滲出性中耳炎は子どもにも多い病気。これは耳管がまだ発達していないためにおこります。そして、50歳を過ぎて老化が進むと耳管が機能しなくなってきて、高齢者に発症するようになるのです。

また、高齢者に発症することが多いため、加齢によって耳が遠くなると勘違いする人が多いのも「隠れ難聴」といわれるゆえん。本当は治る中耳炎であることに気づかずに、補聴器を付けている人もいるとか。滲出性中耳炎の治療をしたら補聴器も不要になったという人もいるのです。

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