ネバネバパワーが全開「とろろ昆布」の秘密
「ネバネバ食品」は体にイイ…そんなイメージを持っている人は多いはず。そんな食品の仲間でありながらやや影の薄い「とろろ昆布」ですが、じつはネバネバパワーがすごいことが判明! 5月28日放送『ためしてガッテン』の「とろろ昆布がすごい!隠れネバネバパワーの秘密」で取り上げられていました。
昆布のネバネバ成分には「脂肪排出」や「高血圧予防」「便秘解消」の効果があります。この昆布のネバネバ成分の名前は「アルギン酸」です。アルギン酸は海藻など藻類を意味する「アルジー」という言葉に由来しています。
このアルギン酸は昆布にも含まれていますが「とろろ昆布」のほうが効果的です。ラットを使った実験で「油のみ」「油+昆布」「油+とろろ昆布」という組み合わせによって、中性脂肪の吸収量がどれくらい違うかを調べました。
すると、「油のみ」の場合は「2,000AUC mg/h/dl」だったものが、アルギン酸の働きによって「油+昆布」で「約半分」に減少。さらに「油+とろろ昆布」で「3分の1」ほどになったのです。
なぜ昆布よりとろろ昆布のほうがアルギン酸が多くでるのでしょうか? 秘密はその厚さにありました。
そもそも「とろろ昆布」は、乾燥した昆布を酢に漬けてやわらかくして、それをブロック状にプレス。それをかんなのような歯で削りだしたものです。重なった昆布の側面を削るため、昆布は糸状になります。とろろ昆布の厚さを計ると「0.01mm」、同じような薄い食材であるかつお節でも「0.04mm」です。
そして、アルギン酸はおもに細胞壁と細胞壁の間に存在しています。その細胞のサイズは平均で「0.1mm」ほど。とろろ昆布の厚さは「0.01mm」ですから、細胞の「10分の1」ということです。
さらには、うまみ成分である「グルタミン酸」は細胞内に存在しています。このため、昆布では出し切れないアルギン酸やグルタミン酸が、細胞より薄いとろろ昆布ではあふれ出てくるようになっているのです。実際、だし昆布から出るグルタミン酸は「約50%」、アルギン酸は「約5%」といわれています。