健康生活の知恵袋
巷で話題の健康情報を紹介しています。

盲腸より「脱腸」のほうが患者数が多い事実

身の回りで盲腸や胆石の手術の話は聞きますが「脱腸」についてはあまり聞いたことがありません。しかし、じつは「脱腸」は誰にでもおこりえる身近な病気だったのです。12月11日放送の『ためしてガッテン』の「イテテ!突然の腹痛を起こす異物の正体SP」で紹介されていました。



スポンサーリンク
hernia1

消化器系の外科手術の数を調べてみると、胆石が「7万5千件」、いわゆる盲腸と呼ばれる虫垂炎が「6万件」とか。そして「脱腸」が「16万件」にも達するのです。

とはいえ、盲腸や胆石の手術をしたという話はよく耳にするものの、脱腸の手術を受けた話は聞いたことがないのでは? そこで、街頭でどれくらい脱腸患者がいるのかを調査しました。その結果、100人中に「10人」も発見。なんと1割にも上ります。

「脱腸」と聞くと「腸がお尻から出てしまっていること」を想像しますが、じつは大間違いでした。私たちのお腹の消化器は、腹壁という筋肉の壁に包まれているもの。そして、脱腸というのはその腹壁から消化器があふれ出ていることなのです。

この脱腸、その原因は赤ちゃんの時代にあります。赤ちゃんは受精卵の段階では男女の構造の差はありません。始めにできてくるのは「未分化性腺」と呼ばれるもの。できるのは背中のあたりです。これが妊娠2ヶ月くらいまでに「卵巣」になったり「精巣」になったりします。これらが下腹部へ移動するために、腹壁に穴が空いているのです。

この穴が空いている場所を「鼠径部(そけいぶ)」といいます。じつは、脱腸の本当の病名は「鼠径ヘルニア」です。椎間板ヘルニアなどでも使われる「ヘルニア」という言葉は「脱」、すなわち本来あるべき場所から外れることを意味します。

このように、脱腸というのはいつおこってもおかしくない病気。腹壁にはすでに穴が空いているのです。

この記事をシェアする


あわせて読みたい記事