長引くせきは大丈夫?「大人ぜん息」急増中
レントゲンにも写らない原因不明の長引くせき「大人ぜん息」が増えています。たかが「せき」と放置すれば、呼吸困難となって窒息死する危険も…。「大人ぜん息」の実態に迫ります。5月18日放送『駆け込みドクター!』の「知らないとコワイせきSP」で紹介されていました。
目次
大人ぜん息は30~40代で突然発症
そもそも「ぜん息」とは、空気の通り道である「気管支」が炎症によって狭くなる病気です。ぜん息といえば「小児ぜん息」というイメージがありますが、それだけではありません。
大人になったから発症する「大人ぜん息」があるのです。患者数はこの30年間で約3倍にも増加。そのうち、およそ7割が大人になってから初めて発症した人です。
「大人ぜん息」は、30~40代で突然発症することがほとんど。このため、ぜん息と診断されずにそのまま放置されることが多いとか。ぜん息の症状は、専門医でなければなかなか診断できないといいます。
大人ぜん息のおもな特徴とは?
風邪と診断されて薬を処方されても、なかなかせきが止まらないときなどは、「大人ぜん息」の疑いがあるかもしれません。下記のような症状がある場合には、専門医の診断を受けることをオススメします。
【大人ぜん息のおもな特徴】
- 8週間以上せきが続く
- 風邪のたびにせきが長引く
- 夜中から明け方に激しいせき
ぜん息を悪化させる要因は「気候の変化」「辛い食べ物」「タバコ」などです。気候の変化については、湿度や温度、気圧の変化が気管を刺激。辛い食べ物については、唐辛子などに含まれる「カプサイシン」が気管を刺激します。タバコの煙に含まれる有害物質が気管を刺激するのは、説明するまでもありません。
大人ぜん息は自然には治らない
ぜん息の治療は「吸入ステロイド薬」で行います。口から吸入した薬が気管で直接作用します。炎症を抑えて発作をおこりにくくするのです。規則正しく継続して使うことで、ぜん息の症状を少しずつ改善してくれます。
ぜん息というのは、症状があるときだけがぜん息ではありません。ふだんから気道がただれて炎症があるのです。小児ぜん息は自然に治る場合がありますが、「大人ぜん息」はほとんど一生モノといえます。
ですから症状の有無に関わらず、吸入薬を継続的に使うことが重要。ステロイドを長期的に使うのが怖い…というイメージだけで途中でやめてしまうのが、もっともよくないパターンなのです。
■「せき」おすすめ記事
咳が長く続くときは「心臓弁膜症」かも!?
風邪と間違えて鼻ポリープとぜんそくが悪化
春夏も危険!「風邪」と「肺炎」の見分け方
■「肺の病気」おすすめ記事
1週間で死に至る危険「急性肺炎」の症状とは
アスペルギルスが肺で生息!?その予防法とは
浴室のぬめりで感染「肺マック症」が急増中