急性膵炎を見分ける症状は左わき腹の痛み!
単なる胃の痛みと感じてしまう恐ろしい病気が「急性膵炎(すいえん)」です。放置するとさまざまな臓器に異常が発生して、わずか数日で命を落とす危険性もあるのです。そんな急性膵炎をいち早く見つける方法があります。9月8日放送『主治医が見つかる診療所』の「単なる胃痛と間違え…死に至る!“すい炎”早期発見法」で紹介されていました。
目次
急性膵炎は消化液が臓器を溶かす
膵臓(すいぞう)とは、食べ物の消化を手助けする臓器の1つ。口から入った食べ物はまず、胃の中で分解されます。そして、その先にある十二指腸で、膵臓と胆嚢(たんのう)から分泌される消化液で溶かされ、さらに細かく分解されていくのです。
急性膵炎とは、膵臓が分泌する消化液が何らかの原因で内部であふれ、膵臓自らを溶かしてしまうという病気。さらに進行すると、漏れ出した消化液が周りの臓器までも溶かしてしまうのです。
そもそも膵臓には2つの働きがあります。1つは消化器官として、アミラーゼなどの消化液を分泌する働き。もう1つは内分泌器官として、インスリンなどのホルモンを分泌する働きです。
とくに消化液は強力なもの。食べた肉や脂を消化するわけですから、自分の身体まで消化できてしまいます。また、強力な消化液のほかに、血液中の糖分を細胞に運ぶインスリンなどの重要なホルモンを分泌しています。膵臓が機能しなくなると、糖尿病になってしまう可能性もあるのです。
急性膵炎は診断するのが難しい病気
膵臓という臓器は、人間の臓器の中で脳に次いでプログラムされているといわれています。プログラムというのは自分の意識とは関係なく、膵液を出す時間が決められているのです。通常は食事のあとに分泌されます。
しかしこの時間がずれると、膵液がたまってしまったり、出さなくてもいい時間に負荷がかかったり…。毎日決まった時間に食事することで規則正しく分泌して膵臓の負担を減らすことが、急性膵炎の予防につながります。
膵炎を見つけるためには血液検査や画像検査などがありますが、すぐに結果が出てきません。また、膵臓がある場所も検査しづらい要因。肝臓や胃などの裏側に隠れているために、診断するのが非常に難しい器官なのです。膵臓自体も軟らかくて形が変わりやすいことも、さらに診断を難しくしています。
左わき腹の痛みが見分けるポイント
そこで、急性膵炎をいち早く見つけるための方法を紹介しましょう。単なる胃痛と急性膵炎を見分けるための最初のポイントは「背中が痛む」です。
膵臓は体の表面ではなく奥に隠れた臓器。後ろから叩いたほうが響くくらいの場所にあります。普通の胃の痛みだけでなく背中の痛みを伴う場合、とくに初期は左わき腹に痛みを感じる場合は急性膵炎の可能性が高いのです。
急性膵炎の痛み方は、エビのように丸まっていると痛みが止まって、逆に反ると痛みが強くなるのも特徴の1つ。急性膵炎は前かがみになると痛みが和らぐことがあります。
これは背骨による膵臓への圧迫が弱まるからです。反対に身体を反らすと、背骨による膵臓への圧迫が増すため痛みが強くなる傾向があります。
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