大増殖「キイロスズメバチ」遭遇したときの対策
日本動物被害の中で一番死亡者数が多いのは「ハチ」です。18年連続で1位となっています。そして、その大部分がスズメバチによるものと考えられています。なかでも増えているのが「キイロスズメバチ」。キイロスズメバチが増殖している理由と、もし遭遇したときの対処法を見てみましょう。8月9日放送『世界一受けたい授業』で紹介されていました。
目次
キイロスズメバチは生ゴミをエサにする
近年、住宅街や都市でスズメバチが急増しています。とくに増えているのが、家の軒下や屋根裏に巣を作る「キイロスズメバチ」。ほぼ全国に生息し、小型のハチながら攻撃性が高くてとても危険です。
なぜキイロスズメバチが都市部などで増殖しているのかというと、その理由のひとつがエサ。スズメバチは本来、生きた昆虫を捕まえて幼虫のエサにします。しかし、人間の生活環境に順応しているキイロスズメバチは、人間が出す生ゴミをエサにしてしまうのです。
キイロスズメバチがどんなもの好んでエサにしてるかを実験してみると、マグロの赤身やサツマイモをエサにしていました。雑食のキイロスズメバチにとって、都市部のゴミ捨て場は格好の餌場ということ。その結果、身近なところで増えてしまっているのです。
スズメバチを見たら白いタオルをかぶる
じつはスズメバチの被害が多いのは8月から9月にかけてです。それでは、スズメバチに出くわしたときはどう対処すればよいのでしょう?
簡単な方法としては「白いタオルを頭にかぶる」です。スズメバチの天敵は、昔からクマや人間。巣を壊してハチの子を獲ったりするからです。
このため、スズメバチは人間やクマの急所である「頭」や「目」といった黒い部分を狙う習性を持っています。白色というのは逆に目立たない色なので、襲われにくくなるのです。もしスズメバチに遭遇したら白いタオルで頭を隠して、姿勢を低くしてその場からそっと逃げるようにしてください。
スズメバチに刺されたらすぐに逃げる
逆に危険なのは「香水」や「ヘアクリーム」。ハチを呼び寄せる成分が入っています。ハチが興奮して襲ってくる場合があるのです。
なお、スズメバチに一匹でも攻撃を受けると、ほかのスズメバチからの総攻撃を受ける危険が高くなります。スズメバチが攻撃時に吹きかける毒液の香りが、ほかの仲間にも攻撃を呼びかける合図になるのです。
刺されたらその場にとどまらず、すぐに猛ダッシュで逃げるようにしてください。そして、指で毒を搾り出したうえで、患部を冷やして病院へ行きましょう。
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