浴室のぬめりで感染「肺マック症」が急増中
とくに中高年の女性に多く、ここ10年で患者が激増している肺の病気があります。それが、知らないうちに忍び寄る「肺マック症」です。2月24日放送『主治医が見つかる診療所』の「死亡原因第3位 肺炎の早期発見法」で紹介されていました。
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マック菌は結核菌に似た症状をおこす
埼玉県に住む49歳の女性が、最初に体の異変を感じたのは2012年の12月。いつもの風邪に似た症状が長く続いていたといいます。原因不明のせきを気にしながら、仕事が忙しくてつい半年も放っておいてしまいました。
そして、健康診断でようやく病院へ。せきのこともあって、追加で肺のレントゲン検査を依頼しました。すると1週間後、病院の医師から電話がかかってきたのです。それは「肺に影が映っている」という電話。しかし、病名はわからないため、大きな病院で精密検査を受けることをすすめられました。
忙しさもあって検査を先延ばしにしていた1週間後、朝起きるとすごいせきがこみ上げてきました。せき込んだと同時に、なんと「血」を吐いたのです。
女性はすぐさま大学病院へ。そこで告げられた病名は「肺マック症」でした。マック菌とは「Mycobacterium Avium Complex」の略。結核菌によく似た症状をおこす細菌です。しかも結核菌と違って、通常の環境中に存在する菌。このマック菌が肺に入り込み、増殖して肺を破壊してしまうのです。
肺マック症は重症化すると死に至る
肺マック症は40年前には数百人だった患者数が、いまは毎年1万~2万人も増加。現在では「約20万人」におよぶほど、急増しているのです。さらに、患者のじつに「95%」が「40代以上の中高年女性」といいます。そして、もっとも恐ろしいのは「完治させる特効薬がない」こと。重症化すれば肺全体に菌が広がって呼吸困難をおこし、死に至ることもあるのです。
肺マック症の予防は、なるべく菌を吸わないこと。マック菌は浴室で見つかることが多く、とくにぬめりがついたシャワーヘッドが要注意です。洗うときはゴム手袋をして、水の中に入れて洗浄します。空気中に菌が飛び散ると、かえって吸い込むことになってしまうのです。
また、土の中にもマック菌は多いといいます。ガーデニングなど際はマスクとゴム手袋を身に付け、終わったとは手洗いとうがいを行いましょう。
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