意外と知らない「美白」のメカニズム
数千人規模となってしまったカネボウ化粧品の美白化粧品のトラブルによる重症者。とはいえ「美白」をうたう化粧品は、ほかのメーカーやブランドにもたくさんあります。どんな成分がどのように働いて「美白」となっているのでしょうか?
そもそも「美白化粧品」とは何でしょうか。日本化粧品工業連合会によると「おもにメラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ商品が多い」という定義になるとか。
肌の色に影響する「メラニン」の生成を抑えるメカニズムは、製品によってさまざま。有効性と安全性を両立した美白成分の開発に、各社しのぎを削ってきました。
「メラニン」は、皮膚の中の色素細胞「メラノサイト」で作られます。アミノ酸の一種チロシンが、チロシナーゼとよばれる酵素の働きでメラニンに変化し、角化細胞に移動していきます。
【シミのメカニズム】
- チロシナーゼの働きでメラニンが発生
- 発生したメラニンが角化細胞に移動
- メラニンが角化細胞に定着してしまう
美白成分はその過程で、チロシナーゼの働きを妨げたり、角化細胞のメラニン取り込みを抑えたり、メラニンの排出を促したりして美白効果を与えるわけです。今回問題になったカネボウ化粧品が用いた美白成分ロドデノールは、チロシナーゼの働きを妨げる成分です。
【美白のメカニズム】
- チロシナーゼの働きを妨げる
- 角化細胞のメラニン取り込みを抑える
- 角化細胞からメラニンの排出を促す