アリセプトがレビー小体型認知症の治療薬で保険適用
アルツハイマー型に次いで多い認知症が「レビー小体型認知症」です。そのレビー小体型認知症の治療薬として、2014年9月に「アリセプト」が保険適用になりました。アリセプトはもともとアルツハイマー型認知症の治療薬ですが、レビー小体型でも症状を抑える効果が認められたのです。
目次
レビー小体型認知症の特徴は幻視
レビー小体型認知症の特徴といえば、ありありとした幻覚・幻視です。ぼやけたものでない、ハッキリとしたものが見えるといいます。
レビー小体型認知症は大脳皮質や脳幹の神経細胞にレビー小体が蓄積して生じる病気です。認知症は約50%をアルツハイマー型が占めますが、次いで多いのがレビー小体型。約20%を占めています。
このため、正しく診断されていない人が多いのも事実。病的なもの忘れの記憶障害がアルツハイマー型のように初期には必ずしも見られず、進行してから出てくることが多いことも影響しています。
アリセプトは認知機能を改善する
2005年に制定された国際的な臨床診断基準では「数分・1日ごとに意識がはっきりした状態とボーッとした状態に変動」「生々しい内容の幻視」「体のこわばりなどのパーキンソン症状」のうち、2項目が当てはまるとほぼ確実にレビー小体型認知症としています。
1999年にアルツハイマー型認知症の治療薬として承認されたアリセプトのおもな作用は、脳の神経細胞の情報伝達物質「アセチルコリン」を減らす酵素「コリンエステラーゼ」の働きを弱めることです。アセチルコリンの濃度を高めて認知機能を一時的に改善させ、症状の進行を遅らせます。
このアセチルコリンの濃度は、アルツハイマー型よりレビー小体型の方が低いのだとか。このため、アリセプトはレビー小体型の方が効くはず…と専門医の間で長くいわれていたものです。
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