サッカー練習メニューの上達ツボ「アメと反復」
「脳」は身長や体型と同様、気合で育ったりしません。体型に合わせたプレースタイルがあるように、その人の脳に合ったトレーニング法や勝ち方を学ぶ必要があります。そして、日本人の脳に合ったサッカー練習メニュー上達のツボは「アメとムシ」と「反復練習」にあるのです。
目次
サッカー練習でアメとムチは間違い
日本人の脳の特徴は「心配症・正確性を重視・失敗を嫌う」というもの。これは育った環境ではなく、遺伝的に決まっているものです。
このため、サッカーを上達するための練習メニューを作成するには、この脳の特徴を理解しておくことが大前提。そのうえで、その特徴に合った上達のツボを考え合わせなければなりません。
サッカーの指導法として興味深い実験があります。T字型の通路で、マウスに左に行くことを覚えさせる実験です。用意したのはアメとなるエサと、ムチとなる電気ショック。一番効率よく覚えさせる方法とは「左にアメ/右にムチ」「左にアメだけ」「右にムチだけ」のどれでしょう?
じつは正解は「左にアメだけ」なのです。指導で使われる「アメとムチ」はオススメできません。指導法としては間違っているのです。
練習メニューで成功したらほめる
サッカー指導にはアメとムチの両方あったほうがよいと思う人が多いでしょう。しかし実際にこれをマウスで行うと、ムチがある場合はマウスが入口で動かなくなってしまいます。動かなければ電流のショックを受けることがないと判断してしまうのです。
これを人間に置き換えると、一番よいのがエサだけがある状態。いわば「アメとムシ(無視)」です。
すなわち練習メニューで成功したときはほめるのですが、失敗したときは何もいわないという方法。失敗したときには、子ども自身に考えさせるように仕向けるのです。ここで怒ってしまうと、何もしなくなってしまいます。
ちなみに、これまでアメとムチでやってきて成功している人がいるとしたら、それはその人の資質がもともと高かったということ。多くの人がそれで続けられるわけではありません。
練習メニューは反復練習が効果的
日本人に合ったサッカー練習メニューとして「ナビゲーションニューロンを鍛える」のもよいかもしれません。ナビゲーションニューロンは、無意識に体の動きを決める神経細胞のこと。同じことを繰り返すことで機能がアップします。
たとえば、酔って記憶がない状態でも気がついたら家にいた…というのはナビゲーションニューロンが働いているため。サッカーでいうなら「プレーの習慣化」というべきものです。
これには反復練習が功を奏することがあります。反復練習で鍛えられるのはナビゲーションニューロン。パニックに陥ってもナビゲーションニューロンが勝手に蹴ってくれます。これを練習メニューで鍛えれば、意思決定しなくても身体が無意識に意思決定してくれるのです。
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