食事後の数値が高い「隠れ中性脂肪」が急増!
健康診断では何の異常もないのに、食事後の中性脂肪の数値が高い「隠れ中性脂肪」が急増しています。しかも、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが3倍にも上がってしまっているのです。9月24日放送『ためしてガッテン』の「心筋梗塞を防ぐ新常識」で紹介されていました。
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食事後に中性脂肪の数値が高くなる
血液を採取して遠心分離機で分離させるとできるのが血清。この血清、正常なら黄色い半透明の液体ですが、近ごろは半透明でなくにごった人が増えているのです。
実際に、健康診断で何の問題も出ていない10人の男性に集まってもらい、血清を調べてみました。さっそく血液を採取して調べてみると、全員の血清にはにごりが見られません。
しかし15分後、ボリュームのある食事をしたのちに再び血液検査をしてみると、10人中3人ににごりが見られたのです。さらにその3人を詳しく調べたところ、血管の壁がこんもり盛り上がっている動脈硬化が始まっていました。
血清のにごりの正体は「中性脂肪」。健康診断は前日の夜から何も食べずに行うもの。このため食事後に上昇する中性脂肪の数値については、計測することができないのです。
中性脂肪は分解されてエネルギーに
日本人の男女1万人を対象に行われた調査があります。食後の血清のにごりの「あり/なし」で、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクがどれだけ違うのかを調べています。にごりがない人と比べて、にごりがある人の発症リスクはなんと「3倍」だったのです。
このような人は「食後高脂血症」という病気。最近、食後の血清のにごりと病気との関係性がわかってきたのです。
食事をすると私たちの血液中に中性脂肪が入ってきます。ここで登場するのが、中性脂肪を分解する酵素である「リポたんぱくリパーゼ」です。
リポたんぱくリパーゼは中性脂肪を、小さな脂肪酸と呼ばれる粒に分解。血管の小さな穴から体の各部分の細胞へ出て行きます。この細胞で、脂肪酸はエネルギーとして使われるのです。
中性脂肪の残りカスがレムナント
このとき使い切れずにあまった脂肪酸は、脂肪細胞に貯蔵されていきます。そして、脂肪細胞が脂肪酸でいっぱいになると、脂肪細胞から出る信号によって血液中のリポたんぱくリパーゼが減少してしまうのです。
このリポたんぱくリパーゼが少ない血管に中性脂肪が入ってくると、すべてが脂肪酸に分解されずに一部が残りカスになります。残りカスは血管の小さな穴から細胞へ出て行くことができません。こうして血管の壁の内部に残りカスがたまっていき、動脈硬化が引き起こされるのです。
この残りカスには「レムナント」という名前が付いています。英語で「残りカス」という意味。このレムナントが血液のにごりの正体だったです。このように健康診断では正常でも、急に太ってきたら「食後高脂血症」になっている可能性があります。
■9月24日放送『ためしてガッテン』
【心筋梗塞を防ぐ新常識】
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