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喫煙による肺気腫の発症メカニズムを解明!

喫煙によって引き起こされる代表的な病気に「肺がん」と「肺気腫」があります。「肺気腫」は呼吸苦を主症状とする疾患で、場合によっては重篤な呼吸不全をきたすこともあるのです。今回、その発症メカニズムが発見されたことにより、これまで困難とされていた治療薬開発への道を大きく切り開きした。



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肺は「肺胞」と呼ばれる0.1mm程度の小さな部屋が無数に集まってできていて、ここの肺胞の表面は「肺胞上皮」と呼ばれる特殊な細胞によって覆われた状態です。息を吸って肺に入った空気は、最終的にこの肺胞に到達して、肺胞上皮細胞の働きよって、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が行われています。

「肺気腫」になると、肺胞上皮細胞が徐々に死んでいくとともに、肺胞の壁が破壊されて多数の肺胞がつながり合ったような大きな気胞が発生。その結果、酸素と二酸化炭素の交換効率が下がって呼吸不全となります。

これまで、タバコの煙の中に含まれる「オキシダント」ががさまざまなたんぱく分解酵素を活性化し、この作用によって肺胞壁が破壊されていると考えられていました。しかし、どのたんぱく分解酵素の活性化が肺胞壁の破壊につながるかは特定されておらず、そもそもの肺胞上皮細胞が死滅する原因もよくわかっていません。

そして今回、近畿大学らの研究グループは、肺気腫で肺胞上皮細胞が死滅するメカニズムを発見しました。肺気腫では、肺胞上皮細胞が持っている接着分子をたんぱく分解酵素が切断。それによってできた接着分子の切り株がミトコンドリアに集積することで、肺胞上皮細胞の死滅が起こっていることを明らかにしたのです。

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