日本の乳がん死亡率が10年ぶり減少傾向に!
乳がんで亡くなる女性の割合が、2012年に減少に転じたことが、厚生労働省の人口動態調査でわかりました。専門医らは「マンモグラフィー(乳房X線撮影)検診の普及や新しい抗がん剤の登場などの効果」と見ています。
調査によると、年齢構成を調整した乳がんの死亡率は1950年に10万人あたり3.3人でした。しかし、その後は上昇を続け、2011年には19.7人と過去最高を記録。食生活の欧米化による肥満や出産しない人の増加などが背景にあるといわれていました。そして、2012年に19.4人と2002年以来、10年ぶりに0.3ポイント減ったのです。
2000年にマンモグラフィー検診が導入され、視触診を併用して50歳以上で原則2年に1回行うとする指針を策定。2004年には40歳以上にも対象が広がりました。マンモグラフィー検診の受診率はまだ30%台と低いですが、受診率が上がればさらに死亡率は下がるかもしれません。
また、2001年に一部の転移性乳がん患者に劇的に効く抗がん剤「ハーセプチン」も登場。その後、再発予防にも使えるようになり、治療後の余命が大幅に延長しました。乳がんが多い欧米では90年代から、マンモグラフィー検診の普及で死亡率が下がっています。