危険!乳幼児の車への閉じ込めが急増中
日本自動車連盟(JAF)によると、2012年夏、車内に残された子どもが誤って車をロックしてしまい、熱中症を疑う症状などが出て緊急対応をするケースが相次いだとか。JAFが実施した2010~11年のインターネット調査では、回答者(有効回答約7千人)の約30%に、子どもを残したまま車を離れた経験がありました。
このため乳幼児の場合、車への閉じ込めにとくに気をつけたいところ。JAFの実験では、気温35度の晴れた日にエンジンを切ると、窓を3センチ開けておいた場合や、フロントガラス部分にサンシェードを置いた場合でも、車内の温度は30分後に40度を超えました。JAFは「たとえ短時間でも、車内には絶対に残さないで」と呼びかけます。
専門家は「乳幼児は暑さにとくに弱く、体調不良を言葉で伝えられない。大人が注意するしかない」とコメント。日常生活で汗が多い、顔が真っ赤、尿が少ないなどの症状が出たら注意しましょう。外出時は風が通るようゆったりした服を着せ、帽子は時々脱がせて蒸れないようにします。冷房の利いた屋内に入って休ませることも大切です。
そもそも、子どもはなぜ暑さに弱いのか。子どもは、汗をかく機能が未熟なためです。汗は蒸発する際に、体の熱を奪って体温を下げるが、発汗機能が未熟な子どもは、汗をかく量が十分ではありません。
気温が皮膚温を下回るときは、血液を皮膚にたくさん送って皮膚を温め、体の熱を温度差のある外気に逃がして、上手に体温を調節しています。しかし、気温が皮膚温を上回る真夏の暑さでは、この方法では体の熱を逃がせなくなるのです。その結果、体温が上がってしまい、熱中症になりやすくなります。
熱中症の危険を予報で知るには、環境省が発表する「暑さ指数」があります。気温に湿度や日差しの強さなどを加味して、危険度を数値で示しています。2013年からメール配信サービス(通信料は各自が負担)をスタート。環境省のホームページにアクセスし、全国841の観測地から希望地点を選ぶと、運営会社を通じて1日に1回、予報が届きます。