ヒートショックのいいショックと悪いショックとは
ヒートショックには、いいショックと悪いショックがあります。熱いお風呂に入ってヒートショックプロテインを増やすのがいいショック。寒い冬に温度差のあるお風呂で突然死をおこすのが悪いショックです。どちらもお風呂にかかわるだけに厄介。それぞれを詳しく解説しましょう。
目次
いいヒートショックとは?
まずはいいショックのほうから。ヒートショックプロテインの役割は、その名前から意味がわかります。「ヒート=熱」という「ショック=刺激」を与えることで増加する「プロテイン=タンパク質」です。
ヒートショックプロテインは、人間を始めとするほとんどの生物の細胞内に存在しています。そして、外的要因によって傷ついた細胞内のタンパク質を修復するのです。このため「タンパク質の修理屋」とも呼ばれます。
このパワーを利用するのがヒートショックプロテイン入浴法です。湯温が42度なら10分間、41度なら15分間、40度なら20分間が目安。一時的に体温を上げることて体内のヒートショックプロテインを効率的に増やします。
ヒートショックプロテインの増やすことで、運動能力が向上したり免疫力がアップ。この入浴法で風邪知らずの健康な体になれるのです。
悪いヒートショックとは?
悪いショックは、冬の入浴はヒートショックにご用心…という使われ方をします。暖房で暖かい部屋と脱衣所との温度差が10度以上になることはよくあることでしょう。
このとき、暖かい部屋から寒い脱衣所、そして熱いお風呂という、急激な温度変化が短時間のうちに発生。血圧の急激な上昇や下降が引き起こされます。これをヒートショックと呼ぶのです。
このヒートショックは体に大きな負担をかけるため、冬の入浴中におこる突然死の大きな要因となります。急激に血圧が上昇すれば脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが上昇。急激に血圧が低下すれば、脳貧血でめまいをおこしてケガをする危険性があるからです。
このため、このヒートショックを防ぐために、部屋と脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくすることを推奨。また、お風呂もぬるめの湯加減で徐々に体を温めるのがよいとされています。