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HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法でかぜを予防する

「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」がテレビ朝日の『モーニングバード!』で紹介されました。それは、修文大学・健康栄養学部の伊藤要子教授によれば、なんと「入浴の仕方ひとつで風邪知らずの健康な体になれる」というもの。秘密のカギは、誰もが体内に備えているという「ヒートショックプロテイン」です。名前の示すとおり、「ヒート(熱)というショック(刺激)を与えることで増加するプロテイン(タンパク質)」なのだといいます。



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HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法でかぜを予防する


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ヒートショックプロテインの役割とは

このHSPは、人間を始めとするほとんどの生物の細胞内に存在し、さまざまな外的要因によって傷ついた細胞内のタンパク質を修復するもの。「タンパク質の修理屋さん」の異名をとっているほどです。

例えば「風邪」というのは「体内のタンパク質がウイルスなどで傷ついて変化してしまう」せいでおこるものですが、HSPは「傷ついたタンパク質を正常な形に戻す」ことで健康を回復させてくれるのです。

HSPの効力を確認するべく、「卵」を使った実験を行ってみました。まず、水で薄めた卵白を2本の試験管に入れ、片方にHSPを注入したあと、両方を同時にお湯の中に入れます。数分後、何も入れていない卵白はお湯に入れた事で白く固まり始めましたが、HSPを入れたほうの卵白は透明なままでした。

これこそが、「タンパク質が変性する(性質が変わる)ことを防ぐ」というHSPの威力。通常ならば正常さを保てない(変化してしまう)レベルの高熱にさらされた卵のタンパク質を、HSPが守ってくれているのです。


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ヒートショックプロテイン3つの効果

HSPのパワーを検証する、もうひとつの実験を行いました。まず、熟していない「トマト」を用意し、42℃のお湯に入れてから保温器で24時間保温します。その後、常温で1週間置いてみたところ、「加温したトマトは、ほかのトマトに比べて熟すのが遅くなっている」ということが分かりました。

これはつまり、「熱を加えたことによってトマト内のHSPが増加し、酸化という“タンパク質の変性要因”を防いだ」わけです。

HSPというのは人間の場合、「体温を平熱から1~2℃上げると増加する」もの。伊藤教授によれば、HSPが増加すると次のような効果が期待できるといいます。

【1】内臓の傷の修復
ネズミを使った実験によると、加温によりHSPを増加させたところ「内臓の傷が軽くなった」という効果が確認されました。
【2】運動能力の向上
運動によって体の中に溜まる疲労物質が細胞内のタンパク質へ与えるダメージを、HSPが運動しているそばから修復していくため、体力の限界が上がって運動能力が向上するのです。
【3】免疫力の増強
風邪のウィルスを退治する「免疫細胞」をHSPが活性化させてくれるので、風邪予防効果が期待できます。また、たとえ風邪のウィルスが体のタンパク質にダメージを与えても、HSPがすぐに修復を行ってくれるので早めの回復が期待できるのです。


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ヒートショックプロテイン入浴の方法

伊藤教授は「一時的に体温を上げて体内のHSPを効率的に増やす入浴法」というのを提唱。それは、40~42°Cの浴槽に10~20分つかるという、熱めのお湯でしっかり体を温める方法です。

湯温が42°Cのなら10分間、41°Cの場合は15分間、40°Cの場合は20分間を目安とします。さらに入浴後には、「15分間しっかり保温する」「常温の水を500㏄程度補給する」ということを忘れてはいけません。

伊藤教授はまた、「毎日続けてしまうと体が熱刺激に慣れて負荷が掛からなくなるため、HSPが増加しづらくなる」とも指摘。HSP量が最大になるのはHSP入浴を行った2日後。ここをピークに1~3日ぐらいは効果が持続します。このため、週に2回程度が有効です。


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ヒートショックプロテイン入浴の注意点

ヒートショックプロテインは、体温が38度くらいまで上げて保温することによって体内で作られます。とはいえ、もともと平熱が低い人が、いきなり38度まで体温を上げるのは難しいもの。体にも余計な負担がかかってしまいます。

そこで、ヒートショックプロテイン入浴の前に体温計で平熱を測ります。平熱プラス1.5度アップを目差すようにするのです。

ヒートショックプロテイン入浴をしたら、体温が1.5度ほど高くなっていることを「舌下温」で確認します。舌下温とは、舌の下に体温計を入れて計測する体温のことです。

そして、忘れてはならないのが保温です。入浴後にすばやく体を拭いたら、下着の上にトレーナーに靴下など保温性のよい服装をしてしっかり保温。この保温もヒートショックプロテインを生み出すための大事なプロセスです。


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ヒートショックプロテインと筋トレ

ヒートショックプロテインは筋肉の損傷もよく修復してくれるため、筋トレの効果を上げることもできます。筋肉を効率よくつけるなら、ヒットショックプロテイン入浴の前に筋トレをするのがオススメです。

そのときの入浴は就寝前の10~30分前が理想的。筋肉は寝ているあいだに作られるので、寝る前にヒートショックプロテインを産出させておくのです。同時に、筋肉を作る材料となるアミノ酸とマルチビタミン、マルチミネラルを摂るとよいでしょう。

また、日中に激しい運動などをした場合にもヒートショックプロテイン入浴は有効です。「運動した日は熱いお風呂が体力回復によい」という話は以前からよく耳にするもの。じつはヒートショックプロテインにその秘密があったのでした。

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