妊娠中のダイエットは子どもを肥満にさせる
妊娠中のダイエットは、子どもを肥満にさせることが研究でわかっています。その研究の発端となったのが第二次大戦末期の「オランダ飢餓の冬」で生まれた子どもたちの追跡調査。極度の飢餓を経験した胎児は、生まれてから十分な栄養を与えられたにもかかわらず肥満に悩まされていたのです。
目次
子どもの肥満に母親の栄養状態が影響
第二次世界大戦末期のナチスドイツ占領下のオランダでおこった「オランダ飢餓の冬」という事件があります。出入港禁止の措置により配給が止まったため、多数の餓死者が出たのです。ただしその間にも、数万件の出産がありました。
そして、1970年代になってそのとき生まれた子どもたちがどうなっているかという調査が行われました。その結果、なんと80％の人が「肥満」となっていたのです。極度の飢餓を経験した胎児は、生まれてから十分な栄養を与えられたのに、肥満や高血圧に悩まされることになっていました。
その後の研究で、妊娠中の母親の食べ物や置かれた環境が、胎児の「遺伝子スイッチ」を押していることがわかってきます。妊娠6ヶ月以内に母親の栄養状態が悪いと、生まれてくる子どもは「肥満」になることが判明したのです。
遺伝子スイッチが押されて体質が変化
これは、母親の飢餓状態がお腹の中の赤ちゃんの遺伝子スイッチを押し体質を変えてしまったため。その遺伝子が「肥満関連遺伝子」です。
この遺伝子は、食べ物が少ない時代に栄養をためこんで生き延びようとする遺伝子。母親の胎内でスイッチを押された肥満関連遺伝子は、成長とともに活性化して栄養を過度に溜め込むように働きかけるのです。
このように、妊娠中の極度のダイエットは、お腹の中の赤ちゃんが飢餓状態にすることに…。肥満関連遺伝子を活性化させてしまう遺伝子スイッチを押してしまう可能性があるのです。
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