体温を超す気温は「多臓器不全」を招く!!
猛暑が続く中、熱中症で搬送される人が相次ぎ、死者が出た都道府県もありました。気温が40度近くの異常な高温状態になると、私たちの体にどんな危険があるのでしょうか?
人間には体を冷やす機能として、皮膚の表面から空気に熱を逃がす機能と、かいた汗が蒸発するときに熱を奪う現象「気化熱」を利用して体温を下げる機能の2つがあります。
しかし、体温より気温が高くなると、熱を逃がすのが難しくなります。さらに、湿度も高くなると汗が蒸発しにくくなり、発汗による体温調節が利きにくくなるのです。これが熱中症の原因です。
熱中症を放っておくと臓器がダメージを受け、意識がなくなったり、尿が出なくなったりして多臓器不全を招くリスクも…。免疫機能もうまく働かなくなり、感染症にかかりやすくもなります。
また、大量の汗をかくと体液のバランスも崩れます。水分が足りなくなると、体内で血液がうまく循環しなくなるのです。脳や心臓の働きを保つレベルの酸素を運ぶこともできず、ひどくなると血圧低下や心不全、意識の消失などが発生します。
子どもやお年寄りはとくに注意が必要です。子どもは体内の水分を汗以外にも吐く息や皮膚から失いやすい傾向があります。お年寄りは水分を多く含む筋肉が減っていて、余裕がなくなっています。さらに、子どもやお年寄りは腎臓の機能が低く、尿から水分を失いやすい事情もあるのです。