夏バテで口臭がキツくなるメカニズムとは?
夏はとくに口臭に注意が必要です。というのも、暑さや生活習慣からから夏バテで口が臭くなりやすい季節だからです。というのも、食欲のない夏は比較的ツルっと飲み込める食事が増えるために、舌の掃除が不十分になって口臭がキツくなるというわけ。しかも、歯をていねいに磨くだけでは防ぐことができません。そのメカニズムと予防法を紹介しましょう。
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古くなった細胞が舌の上にたまって腐敗する
口臭のおもな原因は「舌苔」です。「ぜったい」と読みます。舌苔とは、舌の表面に存在している先の尖った「糸状乳頭」と呼ばれる突起に付着している白くて苔っぽいもののこと。口の粘膜は皮膚のアカと同じように、古くなった細胞がはがれ落ちます。それが舌の上に白くたまって腐敗して舌苔になるのです。
舌苔から発生する臭いの元は「硫化水素」。温泉や下水などで発生する、タマネギが腐ったような臭いと同じです。舌苔が増えるということは、口の中がドブのような状態になっているといっても過言ではありません。
舌の掃除は朝食後の歯磨き前に行うのが基本
なぜ舌苔が増えるのかというと、それは食事に原因があります。食欲のない夏は、あまりかまずにツルっと飲み込める食事が増えるもの。すると、舌の掃除が不十分になって口臭がキツくなるわけです。
そして、この「舌苔」に起因する口臭は、歯をていねいに磨いても防ぐことができません。やはり有効なのは「舌ブラシ」で舌苔を落とすことです。
舌の掃除は、朝食後、歯磨き前に行います。舌ブラシで落とした舌苔は、口腔内に飛び散る場合があり、飛び散った舌苔はうがい程度では落ちないためです。歯科医師が推奨する舌ブラシは、ジーシー社の「舌フレッシュ」と、亀水化学工業社の「タングメイト」です。
歯ブラシを使うと刺激で将来がん化する恐れ
歯ブラシで舌掃除する人もいますが、それは避けるべき。普通の歯ブラシで一度の舌掃除につき2~3回擦るだけで、血液成分のヘモグロビンがにじみ出てしまうくらい、ミクロの傷が生じてしまうのです。ミクロの傷とはいえ、舌の表面が毎日傷つくとその刺激で将来、細胞ががん化する恐れもありうるのです。
舌ブラシを使うときは、鏡を見ながら大きく口を開け、アッカンベーをするように思い切り舌を突き出します。こうすると嘔吐反射を抑えることができるのです。舌ブラシは舌の奥から手前に向かって動かし、舌苔をかき出します。毎日、舌ブラシを使っている人なら、舌表面の右側3回、中央3回、左側3回のブラッシングが目安です。