NHKは解約方法をわざとわかりにくくしている?
NHKの受信契約については、契約無効をめぐる裁判や新規契約の強引な取り付けが話題になることが多いですが、その裏で正しい手続きによる解約も行われているもの事実。その件数は年間100万件を超えています。しかし、NHK受信契約については解約方法がわかりづらく、過去にはトラブル解決に総務省が乗り出したこともあるのです。
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K受信契約は年間125万件もの解約NHK受信契約の内容を定めた「日本放送協会受信規約」には、受信契約の解約についての規定もあり、テレビが壊れたなどの理由でNHK受信契約が必要ない状態になれば解約ができます。ただし、新規契約と違って解約についてはWebなどでは行えず、書面での手続きが必要です。
NHKが総務省へ提出した資料によると、2018年度のNHK受信契約は新規契約が222万件ある一方で、解約も125万件行われています。このほか、正式に解約されていないものの、転居先不明で事実上解約状態となったパターンも34万件存在します。
NHKの資料では、NHK受信契約の内訳として「世帯の合併に伴う解約」「世帯消滅」「機械故障・撤去」の3種類をあげています。世帯の合併は、結婚や両親との同居などによる1世帯分の契約が不要になるパターンで、世帯消滅は受信契約者が亡くなったケースが該当します。
NHKの解約方法が見つからないと苦情
NHKは毎月末のNHK受信契約数の速報値を発表しており、2021年4月末の受信契約数は約4482万件です。この速報値は、2018~2021年の期間中4450万~4550万件で推移しているため、年間125万件という解約件数はそれほど多くはありません。
このように、NHK受信契約の解約自体は正当な理由があればごく普通に行われているものの、解約にあたって注意点がひとつあります。日本放送協会受信規約では、受信契約解約の書類が届いた日が解約日となるため、手続きが遅れるとその期間もNHK受信料が発生してしまうのです。
さらに、2018年以前はNHKのWebサイトから解約方法を見つける方法が難しく、消費生活相談センターなどへの苦情が多発していました。このことは、2018年9月に総務省の行政苦情救済での審議が行われる事態に発展したのです。
その結果、NHK側はWebサイトのデザインを変更し、トップページに解約手続の説明へのリンクを用意することになりました。とはいえ、現在のNHKのWebサイトもNHK受信契約の解約方法についてはわかりやすい記載とはいえず、手続きも書面に限られるなど解約しづらい点は変わっていません。