B-CASカード使い回しは規約違反になるので要注意
4K放送が本格スタートしてからほぼ4年がたち、現在売られる多くのテレビは4K対応となり、ACASチップを内蔵するようになりました。しかし、B-CASカード搭載モデルの人気も根強くあり、理由のひとつが物理的にカードの使い回しが可能なことにあります。しかし、B-CASカードの使い回しは2021年から規約違反になっているのです。
B-CASカ
ード使い回しで有料放送BS放送や110°CSの受信には、B-CAS・ACASいずれか仕組みに対応したテレビなどが必要です。このうち、B-CASを利用する機器の場合、購入した際に同梱されるB-CASカードをB-CASスロットに差さないと放送の視聴ができません。なお、ACAS対応の機種に関しては、ACASチップが内蔵されているためそのまま視聴可能です。
B-CASとACASを比較した場合、カードを必要としないぶんACASの方がお手軽と思われます。しかし、いまだにB-CAS対応の機器を愛用する人も多く、その理由のひとつがB-CASであればカードを抜き差しして他のテレビなどで使い回すことができるためです。
無料チャンネルを視聴する限り、B-CASカードを抜き差しして使い回しするメリットはありません。しかし、有料チャンネルの場合は視聴契約はB-CASカードと紐付けて行うため、例えばリビングに設置したテレビのB-CASカードで視聴契約した場合、寝室のテレビでは視聴することができないのです。ここにB-CASカード使い回しの発端があります。
B-CASカード使い回しが規約違反に
一方、視聴契約はB-CASカード単位で行われるため、契約したB-CASカードを抜き差しして使い回しすることにより、複数の機器で有料チャンネルを楽しむことができるのです。当然ですが、契約したB-CASカードがないと有料チャンネルの視聴ができないため、複数のテレビで同時受信することはできないことになります。
B-CASカード使い回しのテクニックは、有料チャンネルを契約する視聴者の間ではよく知られたものでした。しかし、実は2021年4月にB-CASの規約が改正され「カードが同梱されていた受信機器に常時装着した状態で使用できます」という文言が追加されたため、現在カードの抜き差しを行い使い回しすることが規約違反となったのです。
なお、一般家庭の場合、NHKについては「世帯」ごとに受信契約を結ぶため、1世帯で複数テレビなどを所有する場合も1契約で済み、B-CASカードの使い回しに元々あまり意味がありません。ただし、NHKのBS放送を視聴する場合は、使用機器のB-CASカードごとにメッセージ消去手続きをNHKに依頼することが必要です。