鰻重(一枚盛)は、夏の風物詩として親しまれる高級感のあるメニューです。一食あたりの糖質量は約70g程度で、その大部分は白米から摂取されますが、蒲焼のタレにも砂糖が含まれているため、牛丼と同程度の糖質量となっています。一枚盛は鰻の量が控えめなバランス型のメニューです。

鰻は古くから「土用の丑の日」に食べる習慣があり、夏バテ防止の滋養食として日本の食文化に根付いています。「う」の字が含まれる食べ物から「鰻」が選ばれたという説や、鰻が旬を迎える時期と土用の丑の日が重なるという説など、その由来にはさまざまな言い伝えがあります。栄養学的には、鰻に含まれるビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは抗酸化作用があり、糖化ストレスから体を守る効果が期待できます。また、良質なタンパク質と脂質は血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。鰻重(一枚盛)を食べる際は、山椒をふりかけることで香りと風味が増すだけでなく、山椒に含まれるサンショオールには糖質代謝を促進する効果があるという研究も報告されています。鰻は脂質が豊富なため満足感が高く、小盛のご飯でも十分な満足感が得られるのが特徴です。ただし、蒲焼のタレは甘めの味付けなので、タレを控えめにすることで糖質摂取量をさらに抑えることができます。