牛皿定食(特盛)は、牛皿と特盛の白米、お新香などを組み合わせた大容量の定食メニューです。一食あたりの糖質量は約130g程度と非常に多く、その大部分は特盛の白米から摂取されます。牛皿自体の糖質量は約15g程度と低いものの、特盛のご飯による糖質量は日本人の1日の推奨糖質摂取量の半分以上に相当するため、活動量の非常に多い方や成長期の若者向けのメニューと言えるでしょう。

「特盛」という概念は、戦後の食糧難からの解放と経済成長に伴い「量の豊かさ」を象徴するものとして広まりました。栄養学的には、一度に大量の糖質を摂取すると、膵臓からの大量のインスリン分泌を促し、身体への負担が大きくなります。牛肉のタンパク質と脂質は血糖値の上昇を緩やかにする効果がありますが、この量の糖質に対してはその効果は限定的です。牛皿定食(特盛)を食べる際は、先に牛皿や味噌汁などを摂ってから白米を食べることで、糖質の吸収速度を緩やかにする効果が期待できます。また、特盛のご飯の一部を残すか、持ち帰って次の食事に回すなどの工夫も有効です。定食に含まれるお新香の乳酸菌や食物繊維は腸内環境を整え、免疫機能の向上や糖質の吸収を緩やかにする助けとなりますが、この量の糖質に対しては効果が限られます。牛皿定食(特盛)は、マラソンや長時間の激しいスポーツの前後、あるいは肉体労働者など極めて高いエネルギー消費がある特別な状況での摂取が理想的です。デスクワーク中心の生活を送る一般の方は、並盛や少なめのご飯を選ぶことをおすすめします。