タルタル南蛮から揚げ丼(特盛)は、南蛮タレとタルタルソースの2種類のソースでから揚げを楽しめる丼メニューの最大サイズです。一食あたりの糖質量は約145g程度と極めて多く、その大部分は白米から摂取されますが、から揚げの衣や南蛮タレ、タルタルソースにも糖質が含まれているため、総糖質量は一般的な食事の推奨量を大幅に超えています。

「チキン南蛮」は、もともと九州地方の郷土料理として知られていましたが、現在では全国的に親しまれる人気メニューとなっています。タルタルソースの起源はフランス料理ですが、日本では独自の進化を遂げ、チキン南蛮との組み合わせは和洋折衷の日本食の代表例と言えるでしょう。栄養学的には、から揚げの衣に含まれる糖質は油で揚げられているため消化吸収が早く、血糖値の急上昇につながりやすい特徴があります。また、南蛮タレには砂糖や酢が含まれており、タルタルソースにも糖質が含まれています。特盛のご飯と組み合わせることで、糖質の総量が極めて多くなり、血糖値の上昇が顕著になります。このような大量の糖質を一度に摂取すると、膵臓からの大量のインスリン分泌を促し、身体への負担が大きくなります。また、一度に消費できるエネルギー量を超えたカロリー摂取は、余剰エネルギーが脂肪として蓄積される原因となります。タルタル南蛮から揚げ丼(特盛)を食べる際は、野菜サラダや味噌汁などを先に摂ることで、食物繊維による糖質の吸収速度を緩やかにする工夫をするとよいでしょうが、この量の糖質に対しては効果が限定的です。このメニューは、マラソンや長時間の激しいスポーツの前後、あるいは肉体労働者など極めて高いエネルギー消費がある特別な状況での摂取が理想的です。一般の方は、糖質量の少ない並盛や小盛を選択するか、食事の一部を持ち帰って次の食事に回すなどの工夫をすることをおすすめします。