ねぎ塩から揚げ定食(特盛)は、さっぱりとしたねぎ塩だれをかけたから揚げと特大量の白米、サラダなどを組み合わせた大容量の定食メニューです。一食あたりの糖質量は約135g程度と非常に多く、その大部分は特盛の白米から摂取されますが、から揚げの衣にも小麦粉やでんぷんが使用されているため、総糖質量は一般的な食事の推奨量を大幅に超えています。

「ねぎ塩」という調理法は、シンプルながらも奥深い味わいが特徴で、日本人の「素材の味を活かす」という食文化の価値観にも合致しています。塩味ベースの調味料は甘辛いタレよりも糖質が少ないという利点がありますが、特盛のご飯との組み合わせにより、総糖質量は極めて多くなります。栄養学的には、ねぎに含まれる硫化アリル化合物には血糖値の上昇を抑制する効果があるという研究も報告されていますが、この量の糖質に対しては効果が極めて限定的です。一方、から揚げの衣に含まれる糖質は油で揚げられているため消化吸収が早く、血糖値の上昇につながりやすい特徴があります。このような大量の糖質を一度に摂取すると、膵臓からの大量のインスリン分泌を促し、身体への負担が大きくなります。また、一度に消費できるエネルギー量を超えたカロリー摂取は、余剰エネルギーが脂肪として蓄積される原因となります。ねぎ塩から揚げ定食(特盛)を食べる際は、先にサラダや味噌汁などを摂ってから白米やから揚げを食べることで、食物繊維による糖質の吸収速度を緩やかにする効果が期待できますが、この量の糖質に対しては効果が限定的です。このメニューは、マラソンや長時間の激しいスポーツの前後、あるいは肉体労働者など極めて高いエネルギー消費がある特別な状況での摂取が理想的です。一般の方は、糖質量の少ない並盛や小盛を選択するか、食事の一部を持ち帰って次の食事に回すなどの工夫をすることをおすすめします。特に糖尿病予備群や糖質制限を行っている方は、このメニューの摂取を避けるべきでしょう。