から牛(特盛)は、から揚げと牛肉の2種類の具材と特大量のご飯が組み合わされた大容量メニューです。一食あたりの糖質量は約140g程度と極めて多く、その大部分は白米から摂取されますが、から揚げの衣にも小麦粉やでんぷんが使用されているため、総糖質量は一般的な食事の推奨量を大幅に超えています。

「から牛」という商品名は、「から揚げ」と「牛丼」を組み合わせた造語であり、現代の外食産業における「フュージョン」の好例と言えるでしょう。栄養学的には、から揚げの鶏肉と牛肉という異なる種類の動物性タンパク質を組み合わせることで、アミノ酸バランスが向上し、筋肉合成や免疫機能の維持に理想的な食事となります。しかし、特盛のご飯と組み合わせることで、糖質の総量が極めて多くなり、血糖値の上昇が顕著になります。このような大量の糖質を一度に摂取すると、膵臓からの大量のインスリン分泌を促し、身体への負担が大きくなります。また、一度に消費できるエネルギー量を超えたカロリー摂取は、余剰エネルギーが脂肪として蓄積される原因となります。から牛(特盛)を食べる際は、野菜サラダや味噌汁などを先に摂ることで、食物繊維による糖質の吸収速度を緩やかにする工夫をするとよいでしょうが、この量の糖質に対しては効果が限定的です。このメニューは、マラソンや長時間の激しいスポーツの前後、あるいは肉体労働者など極めて高いエネルギー消費がある特別な状況での摂取が理想的です。一般の方は、糖質量の少ない並盛や小盛を選択するか、食事の一部を持ち帰って次の食事に回すなどの工夫をすることをおすすめします。特に糖尿病予備群や糖質制限を行っている方は、このメニューの摂取を避けるか、極めて限定的な状況での摂取にとどめるべきでしょう。