1日1杯のドリップコーヒーが肝臓がんを予防
大阪市立大学は「1日1杯以上ドリップコーヒーを摂取」しているC型慢性肝疾患患者は、肝機能が改善することを発表。カフェインレスコーヒーの場合は効果がありませんでした。これにより、肝硬変への移行を減らしたり、肝臓がんの発生を予防する効果が期待できます。医療費の削減にも効果を発揮しそうです。
目次
肝臓がんの発症リスクは肝機能と連動
肝臓がんの主要な原因はC型肝炎ウイルス感染であり、肝臓がんの約80%はC型慢性肝疾患患者から生じています。また、C型肝炎ウイルスの感染者は、わが国全体で約200万人にのぼると推定されています。
肝機能の指標は、血清中の「アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)値」を用いられます。「ALT値」が高い患者では、肝臓がんを発症するリスクが高いといわれています。そのためC型肝炎ウイルス感染者では、肝臓がんの発症を予防するためにもALT値をコントロールすることが重要です。
これまでの調査で、コーヒー摂取によるALT値低下の効果が示唆されてきましたが、C型慢性肝疾患患者においても同様の効果があるかどうかはわかっていませんでした。
1日1杯のコーヒーで肝機能が正常化
今回の研究では、C型慢性肝疾患患者のコーヒー摂取状況が、その後1年間のALT値にどのような影響を与えるかを検討。ALT値が正常値だった人のうち「1日1杯以上ドリップコーヒーを摂取」していた人は「1年後のALT値も正常を維持」している人が「89%」。まったく摂取していない人の「76%」と比べて高い数値を記録しました。
また、調査開始時のALT値が高値を示した人でも「1日1杯以上ドリップコーヒーを摂取」している人では、1年後のALT値が減少している人が「37%」と、摂取しない人の「22%」を上回っています。
一方、カフェインレスコーヒーを摂取していた人は、摂取していなかった者と比べると「1年後のALT値も正常を維持」している者が「60%」と、未摂取の「82%」より少ないという結果。また、ALT値が高値の人で「1年後のALT値が減少」した人はいませんでした。
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