バイリンガルは人より柔軟な思考ができる!?
いわゆる「バイリンガル」は、1ヶ国語しか話さない人に比べて思考が柔軟である可能性が高いことが判明しました。アメリカのペンシルベニア州立大学の研究でわかったものです。
「バイリンガル」とは、2種類の言語を話す人のこと。ちなみに3種類の言語を話す人は「トライリンガル」または「トリリンガル」と呼ばれます。2種類以上の言語を話す人は「マルチリンガル」、1種類の言語のみを話す人は「モノリンガル」と呼ばれます。
今回の研究では、2つの実験を比較。1つは、スペイン語と英語を話す被験者27人に、どちらかの言語で書かれた512個の文章を提示して音読させるもの。言語は2行ごとに変えてあるほか、赤字で書かれているところはできる限り速く正確に読み上げなければなりません。なお、赤字の単語の半分ほどが同じ語源のものでした。そして、もう1つは、最初の実験と同じ作業を行いましたが、1つの言語しか読まないというものです。
2つの実験の比較結果から、同じ語源の単語は文脈の影響を受けず、ほかの単語よりも迅速に処理されていることが判明。両方の言語が同時に活用されていることが示唆されました。研究グループは「バイリンガルの人の脳ではある種の機構が働いている」とコメントしています。
研究によると、バイリンガルの人は両方の言語を常に活用し、同時に処理することが明らかになりました。そのため、その2つの言語のどちらかを中断することなく切り替えられています。常に言語を切り替えていれば、頭の“筋肉”も強化され、実行機能も高まるというわけです。