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身長が3cm縮んだら骨粗しょう症の疑いアリ

国内に患者が1千万人以上いると見られる「骨粗しょう症」。全身の骨がもろくなり、骨折を繰り返す心配があります。早く骨粗しょう症の治療を始めて骨折を防ごうと、関係学会は診断の基準を見直しました。



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関節痛に悩んでいた奈良県内の50代の女性は2012年秋、おなかに鈍い痛みを感じて内科を受診しました。しかし、原因は不明。10月、奈良県生駒市の近畿大医学部奈良病院を紹介され、エックス線撮影をすると、背骨が圧迫骨折していたのです。身長が約3cm縮んでいました。

背骨の骨折は、じわじわ圧力がかかって骨がつぶれ、身長が縮むことがあります。女性のおなかの痛みは、背骨を骨折したことで骨が神経に触れたことが原因と疑われました。コルセットを着けて、また骨折しないよう薬を飲み始めました。

骨粗しょう症で骨がもろくなって骨折すると、新たに骨折するリスクは一般の人の2倍程度になるという報告も。背骨を骨折した人が新たに背骨を折るリスクは3~4倍、太ももの付け根の骨折は3~5倍といいます。

専門家は「すみやかに診断し、早く治療を始めることで骨折の繰り返しを防げる。背骨の骨折は痛みがないこともあり、身長が3cm縮んだら受診を」と話しています。太ももの付け根の骨を折ると、寝たきりになるなど身体能力が下がり、海外では1年以内に2割が亡くなるとの報告もあります。

日本骨代謝学会などは2012年度、骨粗しょう症の早期治療につなげられるよう、診断基準を見直しました。つまずいて転ぶなど、軽い力で背骨や太ももの付け根を骨折した場合、骨密度に関係なく骨粗しょう症と診断できることにしたのです。従来は、骨折に加えて骨密度が若年成人の80%未満などの条件を満たす必要がありました。

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