アクリルアミド対策はポテチメーカーも実施中
2002年に発表されたスウェーデンでの研究によって「アクリルアミド」という化学物質が、ポテト加工品や黒糖菓子など一般的な食品に広く含まれているとわかりました。その後、各国が健康への影響の度合いを分析したり、低減策を研究したりしています。
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アクリルアミドは揚げ加減で増える
2011年に発表されたフライドポテトやトーストの加熱度合いとアクリルアミドの生成量の調査では、ほとんど色づかない状態では生成量はあまり増えませんでした。しかし、焼き加減や揚げ加減が強くなると生成量も増えるという結果となったのです。
家庭によって揚げ加減や焼き加減の好みはさまざま。それでも、おいしく食べられる範囲で生成量を減らす工夫は家庭でもできるでしょう。
食品業界でもアクリルアミド低減の取り組みは進んでいます。農林水産省は2013年に「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」を打ち出しました。事業者に対し、貯蔵方法や加熱条件などについてアクリルアミドを減らす方法を細かく示しています。
カルビーもアクリルアミド対策
カルビーは貯蔵段階と加工段階それぞれで、アクリルアミドの元となるアミノ酸や糖類を抑える対策を実施。たとえば、じゃがいもをスライス後、揚げる前に湯通しして糖類を洗い流したり、じゃがいもの品質によって加熱条件を加減して焦がさないようにしたりしています。
このほか、揚げたポテトチップスに風を当て120度以上になる時間を短くする、湿度や温度をコントロールできる専用倉庫で貯蔵する…といった取り組みも実施。取り組み前に比べれば確実に減っているといいます。
一方、2014年秋からはアクリルアミドの生成を抑える食品添加物「アスパラギナーゼ」も流通するようになりました。アスパラギナーゼは微生物由来の酵素で、加工段階で生地などに混ぜると、アクリルアミドが減らせるいうものです。アスパラギナーゼのメーカーは、クラッカーやビスケットでは約8割、じゃがいも練り生地では約9割減らせるとしています。
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