「自彊術」は血行促進で免疫力をアップする健康法
「自彊術(じきょうじゅつ)」という日本独自の健康ストレッチがあります。この自彊術を朝食前と就寝前の1日2回、それぞれ20~30分ほど行うことで健康寿命がアップするというもの。全身の血行促進を促して新陳代謝を高めることで「自らを強くする」という意味で自彊術と名づけられています。1916年(大正5年)に考案された、31の動作で構成される健康体操です。
目次
自彊術は日本人に適した動作
自彊術の特長の1つは「健康体でも不健康体でもできる」ということ。31の動作は前の動きが次の動きの準備運動となっているだけでなく、はずみや反動を巧みに利用して体を動かす構成になっています。このため、動作は大きいものの肉体的には疲労がほとんど伴わない「全身運動」であることも特長です。
また「座立両勢」といって、立位と座位で行う運動が織り交ぜられているのも特長の1つ。自彊術が考案された当時の日本人は、西洋人やほかのアジアの人々よりも「腰が強い」といわれていました。
そして、自彊術は畳の上に座る生活によって生み出されていると考えます。このため、日本人に適した動作という意味で、座位で行う運動を取り入れているのです。実際、自彊術の最初の動作は正座の姿勢から始まります。
自彊術の効果は免疫力のアップ
自彊術の効果としては「病気になりにくくなる」ことと、万が一体調が悪くなっても「病気がすぐ治る」こと、そして「長年の病気を根治できる」ことといわれています。
31の動作は、硬くなった関節をほぐして歪んだ骨格を矯正し、血液の循環を活発にするというもの。内臓の活性化と血行の促進が期待できます。そして、内臓活性化と血行促進こそが「免疫力」を向上させるのです。
というのも、免疫細胞はその6~7割が腸に存在。安定した免疫の働きには内臓の健康が欠かせません。また、免疫機能を持った白血球は血液の流れで全身をめぐることで、体の中の異物をパトロール。血行促進が免疫力をアップさせるのです。
そのほか自彊術には、骨格が正しくなったり筋肉が増加したりと、体の運動機能も改善する効果もあります。ダイエット効果も期待できるでしょう。
自彊術の31の動作を詳しく解説
それでは自彊術の31の動作を詳しく解説していきましょう。ぜんぶで31の動作があり、可動領域ギリギリまで動かします。独特の呼吸法と号令があるのも特徴。いずれも10~20回ぐらいを目安に行ってください。
【自彊術のやり方】
- 正座で下腹を抱えて肩を上下
- 正座で肋骨を抱えて肩を上下
- 正座で後頭部で指を組みひじを開閉
- 正座で両手を後ろで組んで肩を上下
- 正座で片腕を反対の肩に回し肩を開閉
- 正座で両腕を下げて首を左右に
- 正座で手をひざに置いて首を前後に
- 正座で手をひざに置いて顔を左右に
- 正座で首を傾けて首筋を手で叩く
- 正座で首を前倒し後頭部を手で叩く
- 正座で上を向いておでこを拳で叩く
- 目の上下左右、最後に中央を押す
- 両足を前に伸ばし上体を前後に
- 両腕を肩幅に置いて腕立て伏せ
- 腕立ての姿勢から体を反らす
- 両足を揃えて立ち両腕を上下に振る
- 片腕を前に回したあとに後ろに回す
- 両腕を後ろに回したあと前に回す
- 片腕を前と後ろに回して背中を叩く
- 両腕を前と後ろに回して背中を叩く
- 立位体前屈でひざを曲げ伸ばし
- 手を腰に当て片足前で上体反らし
- かかとを揃えて立ち上体を左右に
- 足を閉じてスクワットする
- 足を開いてスクワットする
- 足を大きく開いて立ち開脚する
- 足を開いてひざに手を乗せ腰割り
- 軽く足を開き両腕と上体を左右に回す
- ひざを折って仰向けになりひざを上下
- 前屈から後転して両足を頭上につく
- 足を揃えて肩を上げながら跳躍
■「自彊術」おすすめ記事
自彊術は高齢者にピッタリのダイエット法!!
自彊術でインナーマッスルを鍛える方法とは
■「健康法」おすすめ記事
大渕愛子が自画自賛する驚きの健康法とは?
骨盤底筋と大腰筋の鍛え方!インナーマッスル健康法
高血圧が治る!1日10分「ふくらはぎ健康法」
太らない体を維持する「ちょい○○健康法」
女子限定!友だちと靴を買いに行く健康法!?
「温冷浴」は自律神経を整える健康法