便秘に効く「腹式呼吸」のコツをつかむ方法
「呼吸」は身体バランスと密接に関連しています。とくに「腹式呼吸」は、座禅などの基本にもなっている呼吸法です。便秘解消など健康に寄与するだけでなく、心の安定などにもつながります。そこで、腹式呼吸を正しく実践するためのコツを紹介しましょう。
目次
腹式呼吸が便秘に効く理由
腹式呼吸は、とくに息を吐くことを重視しながら深くゆっくりと呼吸すると、自律神経のバランスを整える効果が得られます。この結果、脳内で気持ちを落ち着かせる物質の分泌が促され、精神の安定につながります。自律神経のひとつである副交感神経にはリンパ球を増やす作用があり、病原体から身を守る免疫力を高める作用も期待できるのです。
腹式呼吸の利点はそれだけではありません。腹部の血液の流れや排便の調子をよくする効果も見込めます。これが便秘解消に効果のある理由です。
一方、速いペースで呼吸すると、体内の酸素や二酸化炭素のバランスが崩れ、筋肉の硬直やしびれなどの影響が出る恐れがあるのです。速いペースの呼吸は、急発進と急ブレーキを繰り返す車のようなものといいます。
腹式呼吸のコツをつかむ練習
腹式呼吸のコツをつかむ練習は、落ち着ける場所で椅子に座って行います。まず腹をふくらませて鼻から深く息を吸い、次に約10秒かけてゆっくりと鼻から出すのです。すぼめた口から吐いても構いません。
上手にできない人は、床にあおむけになって足を椅子などの高い場所にのせる方法がオススメ。尻の下には座布団やクッションを敷き、両手は腹部に置きます。この体勢なら、内臓と横隔膜が一緒に動く様子がわかり、自然と深い呼吸になるでしょう。
この練習法を毎日やって、みぞおち周辺の筋肉に力みが出ないで息を吐けるようになれば合格。椅子でもうまく腹式呼吸ができるようになります。疲れを感じたりストレスがたまったりした際に、この呼吸法を実践すれば、効果が期待できます。夜寝る前や起床時なら、横になったままでもよいでしょう。手軽に心身をリフレッシュできます。
便秘は副交感神経優位で解消する
じつは、便を運ぶ腸のぜん動運動を司っているのは自律神経です。自律神経とは、呼吸や血液の循環、消化など、人間の生命維持にかかわる機能を司っている神経。活動時やストレスを感じるときに活発になる「交感神経」と、リラックスしたときに活発になる「副交感神経」があります。
ここでぜんどう運動を司るのは副交感神経。逆に、交感神経が優位になるとぜんどう運動が弱まってしまい、便秘になりやすくなります。そして、ストレスが多い現代社会では交感神経が優位になっているケースが多いのです。
このため、副交感神経を優位にすることで、便秘を解消することが可能。それに寄与してくれるのも、自律神経のバランスを整えてくれる腹式呼吸です。
強いストレスで常に胸式呼吸になる
息を吐くときにお腹を凹ませ、息を吸うときにお腹を膨らませる呼吸法が腹式呼吸です。腹式呼吸のポイントはお腹の中の腹膜をふくらませたりへこませたりすることで、横隔膜を上下させることにあります。
一方、肋骨を広げたり閉じたりする呼吸法が胸式呼吸です。健康な人は、この胸式呼吸と腹式呼吸を使い分けているのが通常。無意識のうちに浅い呼吸と深い呼吸を織り交ぜて呼吸をしています。
しかし、強いストレスを受け続けていると、知らず知らずのうちに浅い呼吸である胸式呼吸を常に続けてしまいます。脳や体の緊張がほぐれないためにおきる現象です。
腹式呼吸の効果で便秘が解消
こうして胸式呼吸ばかりしていると、内臓や神経を包んでいる横隔膜や腹膜に柔軟性がなくなることになります。すると、排便に必要な腹圧が低下。これが便秘につながるのです。
逆にいえば、腹式呼吸を意識して行えば便秘解消に効果があるということになります。横隔膜が上下すると適度に腹圧がかかって腸を刺激。血行が促進されて、ぜん動運動も自然に行われるようになるからです。
腹式呼吸によって自律神経が副交感神経優位になることも好影響。気持ちや体がリラックスして、胃腸の働きがスムーズになるからです。腹式呼吸のこれら2つの効果によって、便秘が解消されるのでした。
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