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朝の頭痛が続いたら「脳腫瘍」かもしれない

頭蓋骨の内側にある脳や膜などで異常に増殖した細胞の塊が「脳腫瘍」。肺や大腸など別の臓器から転移したものを除き、年間の発症は人口10万人あたり10~15人と推計されます。成人に多いのは脳の表面を覆う膜にできる「髄膜腫」と脳の内部にできる「神経膠腫」。この2つで患者数の半数を超えます。さらに、ホルモンの司令塔である下垂体にできる「下垂体腺腫」、内耳神経などにできる「神経鞘腫」が続きます。



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腫瘍が大きくなると頭蓋骨内の圧力が高まり、頭痛や嘔吐などを発症。さらに、言語や運動をつかさどる脳・神経の領域に腫瘍ができれば、話せなくなったり運動まひがおこったりします。初発時にけいれんがおこる人も少なくありません。

治療は手術や放射線、抗がん剤を組み合わせることがほとんど。脳の外側にできる「髄膜腫」や「下垂体腺腫」「神経鞘腫」は良性が多いのが特徴です。正常な組織との境界が明確で摘出しやすいため、完治が期待できます。

「神経膠腫」は取り除くのが難しいもの。神経細胞を保護している神経膠細胞から発生すると考えられ、腫瘍が周りの正常な神経や血管を巻き込み、しみ込むように増殖するためです。それでも、摘出率が高いほど生存率は高くなる傾向があります。腫瘍だけを薬で光らせたり、言語や運動神経の反応を確認したりしながら慎重に取り除きます。

取った組織を調べて確定診断し、治療方針を決定。腫瘍の種類や形によって放射線の照射範囲や量を調整し、正常な組織の損傷を抑えます。残った腫瘍をやっつけるため、抗がん剤を追加することも。神経膠腫は再発すると、悪性度が高くなる可能性があるため、定期的に画像検査などを行います。

こういった脳腫瘍、最近では脳ドックなどで早期に見つかることも増えています。しかし、いつもの頭痛やかぜだと思い、かなり進行してしまうことも少なくありません。朝の頭痛が続くのが特徴のひとつ。吐き気や手足が動かしにくいなどの症状があれば、すぐに受診するようにしましょう。

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