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多汗症の治療は80%は塗り薬だけで治ってしまう

手のひらやわきの下から大量の汗をかいてしまう「局所多汗症」。仕事や日常生活で支障をきたす場合もありますが、病気と認識されることはあまりありません。しかも、多汗症の治療は塗り薬を使うだけで、80%の人は症状がおさまります。



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多汗症の診断基準と治療法に指針

「局所多汗症」は手のひらや足の裏、わきの下、顔など体の一部から出る汗が過剰に増える病気です。原因ははっきりしていません。患者は10~50代が中心です。

厚生労働省研究班の調査では、手足の多汗症の重症者は約80万人と推計され、手の多汗が5.3%、わきの下は5.7%とのデータがあります。重症者のなかには、パソコンや携帯電話が防水機能なしでは汗で壊れてしまう人も。不登校やうつ病になる人もいます。

多汗症は長いあいだ病気ではなく、体質の問題として扱われてきました。しかし、日本皮膚科学会は2010年に診療指針を作り、診断基準と治療法をまとめました。適切な治療を受ければ塗り薬を使うだけでも、8割程度の人は症状がおさまるといいます。


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多汗症の治療にボトックス注射

診療指針では、症状にあった治療法を紹介。まず勧められるのは、毎日寝る前に濃度20~50%の塩化アルミニウム溶液を手のひらやわきの下に塗る治療法です。2~3週間で効果が現れ、1日おきや週1回に減らしていきます。ただし、かぶれや湿疹の副作用が出る人もいます。

手足の治療では「イオントフォレーシス療法」が有効です。週1~2回ほど通院して治療します。公的医療保険が使え、費用は1回1,300円ほど。8回程度で効果が現れ、その後も1~2週間に1回の通院が必要になります。治療中、少しピリピリするが、重い副作用は報告されていません。

どちらの治療でも多汗症が改善されなければ、ボツリヌス毒素を注射する「ボトックス注射」があります。発汗を促すアセチルコリンの分泌を抑える効果があります。わきの下は片側10~15か所、手のひらは片手25~30か所に注射。効果は4~9ヶ月ほど続きます。副作用で一時的な筋肉のまひが出る人もいますが、わきの下では9割以上の人で汗の量が半分以下に減ると報告されています。


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多汗症の治療に交感神経を切る手術

2012年11月、わきの下の治療には医療保険が使えるようになり、3万円ほどで利用可能です。汗の量が増える夏の前に1回注射すれば、汗の苦痛は減らせるでしょう。

多汗症が重症で、こうした治療でも症状が改善しなければ、胸の部分の交感神経を切る手術が検討されます。わきの下から内視鏡を入れ、胸にある交感神経を電気メスで切るもの。手の多汗症への効果は高いですが、この手術を受けると、背中などほかの部分から大量の汗が出る代償性発汗がおこる心配があります。

最近では、患者ごとに発汗との関係が深い神経を調べて、その神経だけを切る手術も一部の病院で行われています。ただし、診療指針では「ほかの治療が効かず、強い希望がある患者に行う」としています。

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