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ふくらはぎや膝裏の痛みは旅行者血栓症の前兆

長時間の移動では、誰にも発症のリスクのある「旅行者血栓症=エコノミークラス症候群」ですが、実際にはどのように予防すればよいのでしょうか? 「旅行中」に注意すべき点をまとめて紹介します。また、実際に「旅行者血栓症=エコノミークラス症候群」になったときの初期症状も知っておきましょう。



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ふくらはぎや膝裏の痛みは旅行者血栓症の前兆


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旅行者血栓症の正式な病名とは?

「旅行者血栓症」の正式な病名は「深部静脈血栓症(DVT)」、あるいは「肺血栓塞栓症(PTE)」といいます。深部静脈とは足の内部静脈のことです。この部分にできた血栓が移動し、肺動脈を詰まらせることからおこります。

一般的には高齢者に多いとされていますが、40~50代の中年層にも見られ、ときには10~20代の若者におこることもあります。また、糖尿病をはじめとした生活習慣病も、リスクとなることがわかってきました。

しかも旅行時だけでなく、旅行後数日して同じ症状をおこすこともあります。それだけに「旅行者血栓症」は、フライト時のエコノミークラスという狭い範囲を超えて、長時間の旅行時とその前後には、誰もが気をつける必要があるのです。

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旅行者血栓症を予防する方法とは?

「旅行者血栓症=エコノミークラス症候群」の予防には、旅行中に注意すべきことがあります。しっかり覚えておきましょう。

1つめは「足を動かす」こと。1~2時間に一度は席を立ち、歩いたり軽い屈伸運動をして足の血流を改善しましょう。飛行機の場合は歩き回ることができませんが、トイレへ行くなどして少しでも足を動かす工夫が大切です。座っているときにも「ときどき足の指先を動かす」「足のつま先とかかとを交互に上げ下げする」「ふくらはぎをマッサージする」といった方法で、血液の流れを助けてあげましょう。

2つめは「こまめに水分補給する」こと。脱水症状を起こさないためには、定期的に水分補給することが大切です。水でもかまいませんが、スポーツドリンクなどのイオン飲料は体内の水分を保持するのに効果があります。レモンには血流を改善する働きがあるので、レモン果汁の入った飲み物をとるのもよいでしょう。逆に、アルコールや紅茶のような利尿作用のある飲み物は、尿が多く出てかえって脱水状態になることがあります。飲みすぎないように気をつけてください。

3つめは「楽な服装をする」こと。長時間座ることを考えて、服装はできるだけ楽なものを選びましょう。とくに下着類はきついものをさけ、ベルトはゆるめておきます。


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旅行者血栓症をおこす前兆とは?

それでは、実際に「旅行者血栓症=エコノミークラス症候群」になってしまったときは、どのような症状が現れるのでしょうか? もしものときのために、ぜひ覚えておきましょう。

「旅行者血栓症=エコノミークラス症候群」の前兆として、足の「むくみ」とふくらはぎや膝裏付近の「痛み」をおこす人が少なくありません。また、息苦しさや胸の痛みがある場合は、軽度の旅行者血栓症をおこしている可能性もあります。

旅行時にこうした症状が見られたら、急に席を立つのは危険です。客室乗務員や周りの人に告げ、適切な処置をとってもらうようにしましょう。


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旅行者血栓症に万全の準備で備える

「旅行者血栓症」は旅行中だけでなく、旅行の前後にも注意をして、万全の準備で備えたいものです。「旅行者血栓症」の予防として、旅行の前後にも注意すべきことがあります。

まず、糖尿病などの人は医師に相談をしましょう。糖尿病や高脂血症など生活習慣病のある人、術後まもない人、妊娠中の人など、血栓ができやすいと思われる人は、旅行の前に医師に相談しておきましょう。

そして、体調を整えておくことも肝心。旅行の前には睡眠を十分にとり、体調を整えておくことも大切です。睡眠不足のまま乗り物に乗ると、ぐっすり寝込んでしまうことがあります。結果として、水分をとらずに長時間にわたって窮屈な姿勢を続けることになります。


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旅行者血栓症の予防グッズを準備

「旅行者血栓症」の予防グッズを準備するのもよいでしょう。足がむくみやすい人や血栓ができやすいと思われる人は、フライトソックスとも呼ばれる「弾性ストッキング」など、旅行時のフットケア用品を準備しておくことも大切です。

「弾性ストッキング」はもともと医療用に開発されたもので、手術時の血栓症予防などに使用されています。はくと足の深部静脈が適度に圧迫されて血流が速くなり、血栓をできにくくします。旅行用品売り場やドラッグストアなどでも販売されています。

長時間の旅行後、数日~1週間して肺血栓塞栓症をおこすことがあります。旅行時にできた血栓がなんらかの理由でゆっくり移動し、肺動脈を詰まらせるためと考えられています。旅行後しばらくして急に息苦しいなどの症状が出て受診するときは、医師に旅行のことを告げてください。


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足にケガが多いと旅行者血栓症に

「旅行者血栓症」のポイントは「血栓ができるかどうか」。それだけにもともと血栓のできやすい人は注意が必要です。

一般的には、過去に「旅行者血栓症」になったことがある人のほか、心血管系の病歴のある人や足の骨折手術を受けた人などは、リスクが高いとされています。また、スポーツなどで足にケガの多い人も要注意です。日ごろから足の血管が傷んでいると、血栓ができやすいからです。

サッカー日本代表の高原直泰選手が海外遠征時に「旅行者血栓症」になったことはよく知られています。サッカーに限らず激しいスポーツで足にケガの多い人は、年齢に関係なく注意が必要でしょう。

また、リスクのひとつとして注目されるのが、糖尿病をはじめとした生活習慣病です。2001年にイギリス糖尿病学会が「糖尿病の人は旅行者血栓症になりやすい」ことを指摘。糖尿病で血糖値が十分にコントロールされていないと血管の内壁が傷み、血流が悪くなります。すると血液粘度が増し、ふだんから血栓ができやすい状態になっているからです。

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