腐ったものを食べても食中毒にならない!?
これから夏にかけて気になる「食中毒」。なんと腐ったものを食べても食中毒になるわけでないのです。そもそも「腐っているものを食べると食中毒になる」と思いがちですが、それは間違い。食品を腐らせるのは「腐敗菌」であって「食中毒菌」とはまったく違うもの。そして、食中毒でもっとも危険なのが、作った翌日に食べるカレーなのです。6月12日放送の『ためしてガッテン』は「こんなのアリ!?食中毒 信じられない新常識!」で紹介されていました。
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食中毒菌と腐敗菌が食べ物の栄養を奪い合う
極端な話、腐ったものを食べたとしても、直接、病気になるわけではありません。腐敗菌はニオイやネバネバを発生させますが、食中毒菌のように毒を発生はさせないのです。その代表例が納豆やチーズ。腐敗菌のちょうどよい按配が「発酵」なのです。
そして驚くべきは、腐敗菌と食中毒菌を組み合わせたものと、食中毒菌のみを入れたものをそれぞれの培養させた場合を比較。なんと腐敗菌と組み合わせたほうが、食中毒菌が増殖しないという結果になったのです。
なぜこのような現象がおきるのでしょうか? 腐敗菌と食中毒菌が同居すると、さらに体に悪い気がしますが…。
じつはこれ、腐敗菌と食中毒菌が食べ物の栄養を奪い合うことになるためです。実際にその増殖量を調べてみると、単独で培養した場合の20分の1しか、食中毒菌は増殖しませんでした。食中毒菌の増殖が、腐敗菌が存在することで抑制されるのです。
家庭で作ったカレーを翌日に食べるのが危険
とにかく食中毒菌は、見た目やニオイではわからないということ。私たちは知らず知らずのうちに、食中毒菌を食べているかもしれないのです。
そして、もっとも注意すべき食中毒菌は「ウェルシュ菌」。別名「給食菌」「カフェテリア菌」とも呼ばれる、食中毒菌としてはポピュラーな菌です。家庭で作ったカレーを翌日に食べるときなどにおきる食中毒は、このウェルシュ菌が原因で発生します。
一般的な食中毒菌である「黄色ブドウ球菌」「大腸菌」「サルモネラ菌」「ウェルシュ菌」がカレーに入った場合、ウェルシュ菌以外は加熱された時点ですべて死滅。しかし、ウェルシュ菌はカプセルのようなものに入った状態に変化して繁殖力はゼロになります。
加熱後2時間以内に小分けにして冷蔵庫へ
そして、温度が下がるとカプセルから脱出。すると、ライバル菌がすべていないカレーの中で大繁殖してしまいます。ウェルシュ菌にとって20~55℃がもっとも繁殖する温度なのです。
さらに、翌日にカレーを食べようと再加熱すると、ウェルシュ菌が再びカプセルに変身。その状態で体内に入り、ようやく温度が下がってきた腸内で再びウェルシュ菌となって、食中毒を引き起こすのです。
ウェルシュ菌を増やさないためには、加熱後2時間以内に20℃以下に冷やすことが有効。鍋のあら熱が取れた段階で、よくかき混ぜながら小分けの容器に移して、それを冷蔵庫に入れて冷やす…という方法がもっとも有効です。
■6月12日放送『ためしてガッテン』
【こんなのアリ!?食中毒 信じられない新常識!】
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