リコピン効果はトマトの完熟度で大きく違う
リコピンはトマトやにんじんなど、とくに赤やオレンジなどの野菜に含まれる成分。天然色素成分であるカロテノイドの中でも、とくに高い抗酸化の効果を持つことで知られています。そして、リコピンの効果はトマトの完熟度で大きく違っているのでした。
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リコピンの抗酸化作用の効果
リコピンの抗酸化作用で体にさまざまな効果が現れますが、なかでも注目されているのはがん予防です。とくに肺がん、前立腺がん、乳がんなどの予防効果が期待されています。
またリコピンの摂取量が多い人ほど、心筋梗塞になりにくいという調査結果も。皮膚に含まれるリコピンが肌を守る効果があることもわかっているため、紫外線のダメージで発生するシミやシワ、皮膚がんの予防に役立つともいわれます。
リコピンの効果をえる摂取量の目安は1日6~12mgです。240mlのトマトジュース1缶で、23mgのリコピンが含まれています。すなわち、1日にトマトジュース1缶を飲めば、摂取量の目安はカバーできるでしょう。
リコピンのサプリは食後が効果的
とはいえ、ストレスが多い人など体が酸化しやすい環境にいる人は、リコピンを多めに摂っておくに越したことはありません。リコピンの過剰摂取による弊害はとくに報告されていないので安心です。
リコピンをサプリメントで摂取する場合は、食事に含まれる油によって吸収率が高まります。このため、リコピンのサプリメントは食後に飲むのが効果的です。
リコピンを摂るならトマトがベスト。野菜の中では唯一、トマトだけがリコピンを含まれています。とはいえ、トマトに含まれるリコピンの効果は、完熟度によって大きく異なるのです。
リコピンは熱で効果が損なわれない
よく熟れたトマトなら1kgあたり50mgのリコピンが含まれますが、未熟なトマトにはその10分の1ほどしか含まれません。トマトに抗酸化の効果を期待するなら、よく熟れた真っ赤なものを選びましょう。
トマトジュースのほか、トマトピューレやトマトソース、トマトの水煮などの加工品も狙いめ。完熟トマトを使っているため、リコピンを効率よく摂ることができます。
さらに、油を使う料理に使えばリコピンの吸収率もアップ。リコピンは熱に強いので、火を通す料理に使ってもその効果が損なわれないのです。